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アラスカの釣り、スケールの違い。

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20代のころ、アラスカに行って釣りをした時の話。

川に水上飛行機で降りて釣りをする。
狙いはキングサーモンなどで、そう簡単に釣れない。
私は掛からなかったけれど途中で竿を持ってくれと言われ、掛かかっている竿を持ったらその強烈な引き、やはりキングサーモンは違うと思った。

川をボートで下りながら釣りをする。
アラスカの川は比較的平坦だけど途中で川が湖のように大きくなっている場所があり、流れ出してまた川になり、また湖になるという繰り返しになっている。
湖の流出しでボートからキャスティングして釣ったのは50センチ位のドリーバーデン(アメマス)。やはり50センチ位の野生のレインボートラウト。本当に綺麗だった。ヒレピンだし。
川を下りながら釣ったのはグレーリングという日本にはいない魚。30から40センチ台のものがドライフライに反応してよく釣れた。

川を下っているときにガイドがボートのオールを流し、そのままだとコントロールができない状態になった。最悪な状態は船外機のエンジンをかけるための紐を慌てて引っ張って切ってしまった。サービスでこれをやってやろうと思ってやっていたらそういうことになってしまった。
ドライバーは持っていなかった。持っていたのは爪切り。
小さい爪切りだったので船外機のボルトカバーを外すことができた。
なかなかうまくいかないが、何とかエンジンをかける紐を通した。ガイドじゃなく俺が。
それでエンジンがかかるようになったら現金なもので川を下り、上ってきてまた下りと、釣りを続けた。

迎えに来てもらって、その夜我々のガイドはマネージャーから大目玉を食っていた。
それでそのマネージャーが私のところに来て、
「お前は本物のジャパニーズフライフィッシャーマンだ。明日俺の記録を作った場所に行こう」
と誘ってくれた。

それでマネージャーと別れたあと、ロッジの他のガイドとビールを飲んだ。
1人でいたら、「お前、少し英語が話せるようだからこっちへ来い」と誘われて飲んだ。
飲んだ時につまみは他のツアー客からもらったせんべいが出てきた。
それでその中に料理人がいた。
その彼を他のガイドたちがミスターCBと呼んでいた。なんでCBなんだと聞いたらカリフォルニアから来たカントリーボーイだからCBと言っていた。そこで私が私たちに着いた昼間のガイドもカリフォルニアから来たカントリーボーイだからミスターシービーだろうと言ったら笑っていた…本人は嫌そうな顔をしていた。

翌日は雨が降り、良い場所には連れて行ってもらえなかった。
ロッジの前の川でボートに乗り、釣りし始めた時、ガイドの連中がお前はフライフィッシャーマンだからあそこに立って釣りをしろとボードから下ろされた。
ひとりで立ち込んで釣りをしていたら後ろで「バシャーーッ!]と、大きな音がした。
最初は熊の子かと思ってびびっていたらビーバーが泳いでいた。
そしてビーバーのすぐ上に上がり、一番上の木を1本いただいてきた。
ビーバーの歯はナタのような歯で、いただいたときの切り方がナタで切ったの切り方にそっくりだった。

アラスカは6月夏至の頃、白夜である。
それで、晩飯を食った後、まだ明るいのでガイドたちからNIGHT FISHINGに行こうと誘われる。NIGHT FISHINGに行くといってもロッジの真ん前なので、基本的にはキャスティングの練習になる。

私がフライを始めた頃は道具を売っている釣具屋もなかなかなく、キャスティングスクールそのものすらなかった。
それで自己流で、本の立ち読みで覚えた。フライの巻き方も然りである。
何せ本が高すぎて貧乏学生には買えるような代物ではなかった。

話を戻して、ガイドたちと一緒にキャスティングをやった時、昼間川下りをやってくれたガイドと一緒にフライのキャスティングをやっていたら彼がどこで覚えたんだと聞いてきた。
私が彼はどうしたんだと聞いたらスクールで習ったと言った私がじゃあ僕もスクールに行かなきゃいけないかなと言ったら彼がその必要はないと言ってくれた。
そんなことをしているうち、ガイドのマネージャーが来て彼の次元の違うキャスティングを見せてくれた。
やはりアラスカ1ということはあって、ロングキャスト、狙ったことところで落とす技術、ぴかイチで、そうこうするうちに彼が「ラインだけで投げられるんだよ」と言って9番ラインを10mほど投げた。びっくりした。
それでやり方を教わりながら絶対マスターしてやろうと思った。
日本へ帰ってから特訓したのである。
今まで投げられなかった4番30ヤードのラインをリールの根っこまで出せるようになった。
楽しかった。

話は変わるのだが、キャスティングに世界チャンピオンというやつらがいるのである。
日本に来たときに富士フライフィッシングエリアでキャスティングをしてみせた。
40~50メートルは楽々と飛ばす連中だ。ここでまた次元の差を感じたのである。
それから自分の釣りは、次元の違いを求めてキャスティングすること、全てが変わってきたのである。26歳の時だった。

手で投げるのの基本はダブルフォールを正確にできるかどうかにかかってくる。
これはできるようになってわかったことである。
ダブルフォールが正確にできれば手投げのときのラインを張るタイミングを間違いなくコントロールできるようになる。
これができて初めてラインだけで投げられるようになる。
このダブルフォールができるということはロングキャストができることにつながる。
世界チャンピオンなんかのキャスティングを見るとこのダブルフォールが見事に決まっている。
それでロングキャストをしている。
私も彼らにならってダブルフォールのマスターに努めた。
ダブルフォールではラインのスピードのコントロールができるようになるので正確性も増す。
後ろにドリフトするときのスピードコントロール、前にフォールキャストするときのスピードコントロールができ、ラインのループがきれいになる。
これぞフライキャスティングという感じで釣りができるのが楽しみである。

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