- BBSとは?バサーの記事が、なんか引っかかった。
- 気になった記事とは、「BBS」という「新」ラインシステムについて。
- 「先進的な取組みをさらに発展させた」ではどこを発展させたのか
- KenDさんのPEロングリーダーシステムの方が100倍詳しい。
- チャッピー先生とディスカッションしてみた。
- チャッピー先生との対話。
- KenDさん
- BBS
- 3. そしてこれはKenDさんが2019年にはほぼ完成させている
- 4. しかもKenDさんは「浅溝スプールそのもの」の効果も検証している
- 5. そして「巻き取り速度」の話
- 6. ところがBasserの記事では、ここがほぼ抜けています
- 7. そして、これを入れると「BBSの発展」という表現がますます微妙になる
BBSとは?バサーの記事が、なんか引っかかった。
X(旧twitter)のタイムラインに流れてきたBassarの記事が、なんか気になったんですよ。
気になったというとニュートラルな表現ですが、いい意味ではなく。
率直にいうと、「違和感がある」というか、「引っかかる」という感じでした。
この違和感が何かということについて考察したので、例によって誰得ですがシェアしたいと思います。

気になった記事とは、「BBS」という「新」ラインシステムについて。
気になった記事とは、日本のバス釣り界で最も権威ある専門誌、「Bassar」編集部によるこちらの記事。
「BBS」と名付けられた「新ラインシステム」について解説されています。
ちなみに、「BBS」とは「ブレイド・ブースト・システム」の略だそうで、
平たくいうとPEの下巻きに10~30mという長いフロロリーダーをとったラインシステムのことらしいです。
メッシュ状のスポークが特徴の高級アルミホイールのことや、
SNSがなかった平成初期頃に流行ったインターネット掲示板のこと、ではないようです。
ビーノは中学の同級生に走り屋車好きが多かったり、
ネット黎明期に東レフィッシングの掲示板に出入りしていた過去があるので、
危うく勘違いするところでした。

PE+フロロロングリーダーというと、ビーノがリスペクトする老舗釣りブログ「DeeepStreem」のKenDさんが提唱・実践されている「PEロングリーダーシステム」が有名。
というか、世の中でこのシステムを広めたのがKenDさんであると認知されているのかどうなのか正確には知りませんが、少なくともビーノ的にはPEロングリーダーシステム=KenDさんの功績、という認識なのです。
「先進的な取組みをさらに発展させた」ではどこを発展させたのか
気を取り直して・・・
この記事を読んでいくと、どうやらPEにフロロのロングリーダーを使用するシステムはBBSの新発明ではなく、既存のシステムの発展形だと謳っているようです。
うんうん。そりゃそうでしょうね。
元祖かどうかは知りませんが、少なくとも先行者としてKenDさんがブログで相当詳しく公開してますからね。
10年ぐらい前からかな?
曰く、BBSは
「先進的なアングラーが同時多発的に試していたロングリーダーシステムをさらに発展させたもの」
ん???

大して釣りが上手くもない、しがない釣り好き兼業主夫のビーノですが、
DeeepStreemの長年の読者の一人として、この時点で何か違和感を感じていたのでした。
まあKenDさんがPEロングリーダーシステムをシステム化して世に出した立役者であると個人的には思っているのですが、KenDさんが唯一絶対の発明者だと確信があるわけでもなく、他にもやっていたアングラーは複数いてしかるべきだというのも理解できるので、ひいきの引き倒しは良くないな、とちょっと反省。
でもなんか、「同時多発的」って。
わざわざ書くのは、知財逃れなニオイがするのよね。
先行する特定の人の業績に新規性が無かったと主張して知財を否定しようとしているような、
わざとらしさが感じられなくもない。
つまり、この文を分解して解釈すると、
① KenDさんら先行者の成果をベースにしていることを認めつつも、
②「同時多発的」つまり「それは個人の業績ではない」と暗に新規性を否定し、
③「さらに発展させたもの」つまり「それらよりも優れている」ことを宣言
・・・しているわけですね。
なるほど、それでは見せてもらおうではないか、さらに発展させた新ラインシステムとやらを。
・・・と、斜に構えてしまったわけですよ。
シャアないですよね。

KenDさんのPEロングリーダーシステムの方が100倍詳しい。
考えすぎなんでしょうけれど、くだわり=くだらないこだわりがビーノの専売特許なので。

ひいきの引き倒しにならないように注意しつつ記事を読んだ率直な感想としては、
「どこが発展しているのか、全く分からないおじさん」
・・・なのでした。

もうね、KenDさんが2017~2018年にすでに公開していたPEロングリーダーシステムに関する一連のブログ記事の方が、
控えめにいって100倍詳しい
のです。

そう感じるのは、DeeepStreemの読者でKenDさんのファンであるビーノのバイアスなのでしょうか。
チャッピー先生とディスカッションしてみた。
ちょっとその辺の客観性が自分で分からなかったのと、
なんかもやもやするのでChat-GPTとディスカッションしてみました。
ちなみにビーノはChat-GPTとGeminiのいずれも無料版を使用しています。
世間ではGeminiはChat-GPTを越えたと言われているようですが、
ビーノは客観的な事実のみを知りたい時はGemini、もっと複雑な問題について相談したい時はChat-GPTを使うことが多いです。
使っている回数が多いせいもあるかもしれませんが、Chat-GPTの方が人間味があるというか、一癖ある答え方が多くて会話していて楽しいです。

ちなみにAIにイメージ画像を作ってもらったところ・・・

どこからツッコんでいいか分からないけど、とりあえずケンドーさんって誰やねん。。。。。

チャッピー先生との対話。
まずビーノより質問。
この記事のBBSというシステムと、ディープストリーム・KenDさんが以前から提唱しているPEロングリーダーシステムとの違いを教えてください。また、BBSはPEロングリーダーシステムを発展させたものというふうに記事では書いてありますが、記事の中ではどこが発展しているのか全くわかりませんでした。むしろKenDさんの方が100倍詳しいと思います。発展したというポイントを教えてください。
続いてチャッピー先生の回答。
はい。調べてみると、ご指摘の違和感はかなりもっともです。
結論から言うと、今回のBasser記事でいう「BBSはPEロングリーダーシステムをさらに発展させた」という表現は、技術的にまったく新しいラインシステムを発明した、という意味ではなさそうです。
むしろ、
KenDさんが以前から実践・検証してきた「PE+長いフロロリーダー」を、メーカー側が「BBS」という名称を付け、使い方・長さ・メリットを整理して商品システム化した
と捉えるのが一番正確だと思います。
そして、記事をKenDさんの過去記事と突き合わせると、「どこが発展なの?」という疑問が出るのは当然です。
まず、両者の基本構造
今回のBBSは、
PEをスプールの下側に巻く
↓
その上にフロロを10~30m程度巻く
↓
PEとフロロをFGノットで接続
↓
通常のフロロベイトタックルのように使用というものです。Basserの記事でも明確にこの構造になっています。
一方、KenDさんの「ロングリーダーPE」は2018年の記事ですでに、
高比重PE+フロロリーダー
を基本として、
- 通常3~10m
- ウィードなら5m程度
- カバーなら10m程度
- 沈めたい場合はフロロを長くする
- ダイレクト感が欲しければ短くする
- PEは高比重PE「オードラゴン」
- FGノット
- ベイトではPE 2号前後
というところまで細かく体系化されています。
しかもKenDさんは単に「PE+フロロにするといいですよ」と言っているわけではありません。
リーダーの長さを変えることで、ラインの伸び、感度、フッキング、操作性、沈下性、耐摩耗性を調整するところまで考えていました。
ここは確かにかなり深いです。
では「BBSの発展」とは何なのか?
記事とXBRAID公式の説明を読む限り、発展点として挙げられているのは、主に4つです。
① 「ロングリーダー」をさらに長くした
これが一番わかりやすい違いです。
KenDさんの2018年方式は基本的に3~10m程度。
一方BBSでは10~30mを推奨しています。
つまりBBSは、PEをメインラインとして使い、フロロを数mリーダーとして接続する
という従来のロングリーダーから、
PEをスプールの下巻きにして、実釣時にはフロロが10~30m出ている状態を積極的に作る
方向に振ったシステムと見ることができます。
これは確かに一つの違いです。
ただし――これを「大きな技術的発展」と呼べるかというと、私はかなり疑問です。
なぜならKenDさん自身、すでに10m程度のロングリーダーを普通に使っており、さらに後年にはカバースキャットで
オードラゴン1.5号を50mほど巻いた上に、フロロ20m
というセッティングまで実践しています。
つまり、「PEの上に20~30mのフロロを載せる」というBBSの核心部分は、KenDさんの過去の実践から見ても、決して新しくありません。
② 「PEのメリットをキャスト後半まで使う」という考え方を明確化した
これはBBSの説明としては面白いところです。
例えば50mキャストした場合、従来のフロロ100%
→ 50m全部がフロロBBSの場合、
PE 20m+フロロ30mという状態になります。
するとキャスト直後はPEが水面・水中側に出ているので、
- PEの低伸度による感度
- PEの低伸度によるフッキング性能
を利用できます。
林陸功さんは記事の中で、スイムベイトを50mほど投げて、PEが20m出ている状態なら、巻き始め直後のバイトがフロロだけより掛かりやすい、と説明しています。
これはBBSのかなり重要なポイントでしょう。
ただし、これも**「PE+長いフロロ」の原理そのものが新しいわけではありません**。KenDさんも2018年時点で、リーダーを短くすると
- 感度アップ
- フッキングパワーアップ
- ロッドアクションがダイレクト
になることを明確に説明しています。
ですから、
BBSが新しく発見したというより、「この効果をベイトのロングキャストで積極的に利用する」という見せ方をした
という方が近いでしょう。
③ 「PEを使う」のではなく「フロロを節約するシステム」として商品化した
ここはBBSのほうが明確です。
KenDさんも実はフロロの交換コストについて非常に詳しく考えていました。
一方BBSでは、
フロロ100mを巻いても実際に使うのは50m程度
↓
残り50mはほとんど使わずに交換
↓
BBSならフロロ20~30mだけでよいという**「フロロを10~30mだけ使う」ことをシステムの大きなメリットとして前面に出しています。**
これはメーカーとして非常に商品化しやすい。
つまり、KenD式
PEを使うことで、感度・操作性・飛距離などを改善する。
BBS
PEを下巻きとして利用し、フロロを必要な長さだけ使うことで、性能と経済性を両立する。
という「コンセプトの打ち出し方」の違いがあります。
ただ、これもKenDさんが2018年に「フロロを毎回新品交換しても1回75円」という記事を書いていることから分かるように、フロロを必要量だけ使って交換するという発想自体はKenDさんの方がずっと早いです。
④ PEの弱点を「長いフロロ」で積極的に隠す
ここはXBRAIDがBBSとして強調しているところです。
公式説明では、
- 高切れリスク低減
- バックラッシュ時のダメージ軽減
- PEの暴れを抑える
- フロロによる耐摩耗性
- PEによる遠投性能
- PEによるフッキング性能
- PEによる感度
という、PEとフロロの役割分担をBBSの特徴として整理しています。
これは確かにBBSの「商品コンセプト」としてはよく整理されています。しかし、ここもKenDさんの記事を読むと、
PEは擦れに弱い
↓
カバーではリーダーを10m程度取るとすでに考えており、PEの弱点をリーダー長で補うという発想は存在しています。
さらにKenDさんはPEの「糸噛み」「バックラッシュ」「ガイド抜け」「巻き量」までかなり詳しく検証しています。
なので、ここも原理的な発展というより、メーカーが整理して体系化した部分と考えるべきでしょう。
ここが一番重要です
私が今回の記事とKenDさんの資料を比較して感じた最大のポイントは、
KenDさん
「なぜこのシステムが成立するのか?」
を徹底的に掘っています。
例えば、
リーダーを短くすると感度・フッキング・操作性が上がる
長くすると柔らかくなる
フロロなら沈下性を利用できる
カバーなら耐摩耗性のために長くする
PEを細くするとトラブルが増える
ベイトなら糸噛みが問題になる
ガイド径も影響するという具合です。
一方、
BBS
は、
「このセッティングを使うと、こういうメリットがあります」
というところに重点があります。つまり、
KenD=技術論・理論・実釣検証
BBS=システム化・標準化・商品提案
という違いがかなり大きいと思います。
そして「100倍詳しい」という感想について
これはかなり納得できます(笑)。
少なくとも今回見つかった資料だけで比較すると、
KenDさんのロングリーダーPEについての情報量と検証の深さは、
Basserの今回の記事を大幅に上回っています。特にKenDさんは2017~2021年にかけて、
- 高比重PE
- PEの比重
- リーダー長
- リーダーの伸び
- 感度
- フッキング
- 沈下性
- カバー
- 巻き物
- フィネス
- 糸噛み
- バックラッシュ
- ガイド径
- ノット
- スプール
- PEの号数
まで個別に検証しています。
さらに2020年には、ライトリグで5~12lb・1~6mという非常に細かな使い分けもしています。
これに対してBBSの記事は、基本的に
「PEを下巻き+フロロ10~30m」
という比較的単純なレシピにまとめています。
では、BBSは「KenD式のパクリ」なのか?
ここは慎重に分ける必要があります。
Basserの記事自体が、
「先進的なアングラーが同時多発的に試していたロングリーダーシステムをさらに発展させた」
と書いています。
つまり、XBRAID自身も「BBSがロングリーダーという既存の考え方を起点にしている」ことを隠していません。
しかも「KenDさんの方式をBBSが発明した」という記述もありません。
むしろ、
昔から一部の先進的アングラーがやっていたものを、メーカーが一つのシステムとして名前を付け、一般ユーザーに提案し始めた
と考えるのが妥当でしょう。
私なら「発展」をこう定義します
今回の記事でいう「発展」は、
技術そのものが一段進歩した
という意味ではなく、
ロングリーダーPEを、ベイトタックルでより長いフロロを使うことを前提に再整理し、PEを「メインライン」ではなく「スプールを軽くする下巻き+遠距離で低伸度を得るための機能部」として積極的に位置付けた
という意味なら、かなり納得できます。
ただし、これはBBSという名称とメーカーの商品コンセプトとしての発展であって、
「KenDさんが知らなかった新しい技術をXBRAIDが発明した」
というほどの技術的ブレークスルーは、今回の記事からは私は読み取れません。
むしろ面白いのは、KenDさんがすでに2021年に「オードラゴン50m+フロロ20m」という、現在のBBSにかなり近い構成を実践していたことです。
ですから、ビーノさんの
「記事を読んでも、どこが発展したのか全くわからない」
という感想は、かなり正しいと思います。
もしよければ次に、**KenDさんの2018~2021年の記事と今回のBBSを、
①ライン構成、②リーダー長、③PEの種類、④スプールへの巻き方、⑤飛距離、⑥感度、⑦フッキング、⑧トラブル、⑨コスト、⑩想定する釣り方、
の10項目で横並びにして、「本当にBBSに新規性があるのか」をかなり細かく検証**できます。
これは結構面白い比較になると思います。
ビーノの追加質問。
今回の回答になかった点として、アベイルなどの浅溝フィネススプールを使用して、ラインを含むスプール全体の重量を軽くすることでレスポンスを向上するという点も重要だと思います。 同じライン強度ならモノフィラよりもPEの方が線径が細くなることによって、スプールの溝が浅くて済むことをうまく利用しているシステムです。 同じ原理でロングキャストしても巻き取り速度が変わらないメリットにも言及しています。この点もバサーの記事では言及していません。
はい。そこは私の前回回答で落としていた、かなり重要なポイントです。
しかも今回改めてKenDさんの記事とBasserの記事を並べてみると、むしろこの点を入れることで、「BBSがKenD式から何を発展させたのか」という疑問がさらに明確になります。結論を先に言うと、
スプール軽量化・浅溝スプール・PEの細径を利用したラインキャパの圧縮、そしてロングキャスト時の巻き取り速度の維持――このあたりは、BBSの新規な発展というより、KenDさんがかなり以前から明確に掘り下げていた核心部分です。
そしてBasserの記事は、そこを十分に説明していません。
1. BBSの記事にも「スプールが軽くなる」とは書いてある
まず公平に見ると、今回のBasser記事には、
「僕が一番感じているのは、スプールが軽くなることによって飛距離が延びること」
と林陸功さんが明言しています。
ですから、スプール軽量化そのものをBBSのメリットとして認識していることは間違いありません。
ただし問題は、
「なぜ軽くなるのか」
の説明がほとんどないことです。
ここにビーノさんが指摘された、
浅溝スプール × PEの細径
という重要なメカニズムがあります。
2. BBSの本当の面白さは「PEを下巻きにする」だけではない
BBSの構造をもう少し正確に書くと、
従来
フロロ16lbを100m巻く
↓
深いスプールが必要
↓
ラインそのものが重い
↓
スプール+ラインの回転慣性が大きいなのに対して、
BBS
PE 2~5号などをスプールに巻く
↓
同程度の強度ならフロロより細い
↓
少ない体積で必要なラインキャパを確保できる
↓
浅溝スプールが使える
↓
スプールそのものも軽くできる
↓
さらにライン重量も減る
↓
スプール+ラインの回転慣性が小さくなるという構造です。
つまり、「PEだから軽い」
だけではありません。
PEの細径を利用することで「必要な糸巻き量を浅溝化できる」ことが非常に重要なんですよね。
これはBBSを理解するうえでかなり重要なポイントです。
3. そしてこれはKenDさんが2019年にはほぼ完成させている
ここが非常に大きいです。
KenDさんは2019年の記事で、Availの浅溝スプールについて、「絞り込んだラインキャパとナロースプール化」
によってレスポンスを向上させる考え方を明確にしています。
そして、その直後に、「ダメ押しのベイトPEセッティング」
として、
Avail浅溝スプール
+
オードラゴン1.5号75mまたは2号65m
+
フロロ14lb前後5~10mというセッティングを実際に提示しています。(deeepstream.com)
しかもKenDさん自身、
フロロよりさらにライン重量を軽くできる
↓
スプール+ラインの慣性も減る
↓
キャスタビリティがさらに向上というところまで説明しています。(deeepstream.com)
これは、今回のBBSの構造とかなり近いどころか、BBSの思想的な重要部分をほぼ先取りしていると言っていいでしょう。
4. しかもKenDさんは「浅溝スプールそのもの」の効果も検証している
2020年の記事では、Availの浅溝スプールについて、
「糸の量が減るだけで、純正とは別物のスプールレスポンス」
と評価しています。(deeepstream.com)
つまりKenD式は、PEロングリーダーだけではありません。
実際には、
① PEの細径・軽量性
↓
② 必要なラインキャパを確保
↓
③ 浅溝化
↓
④ スプール自体を軽量化
↓
⑤ PEによってライン重量も軽量化
↓
⑥ スプール+ラインの回転慣性を低減
↓
⑦ キャストレスポンス向上という一連のシステムとして成立しているんです。
ここまで考えると、単純な「PE+長いフロロ」という話ではなくなります。
5. そして「巻き取り速度」の話
これも非常に重要です。
ベイトリールの場合、
スプール1回転で巻き取るライン量
は、スプールに巻かれているラインの外径によって変わります。
例えば、
深溝スプール+大量のライン
では、スプール径+ラインの厚みが大きい状態になります。
しかし、
浅溝スプール+少量のPE
なら、スプール径を維持したまま、余計なラインを巻かなくて済みます。
そしてロングキャストするとラインが大量に放出されます。
普通のフロロを大量に巻いた場合、キャストしてラインが出ていく
→ スプール上のライン径が小さくなる
→ 1回転あたりの巻き取り量も小さくなるという現象が起きます。
ところが、
浅溝+PE下巻き+必要最小限のフロロ
にしておけば、そもそもスプール上の余分なライン量が少なく、キャスト後のスプール径の変化を小さくできます。
したがって、
ロングキャストしても巻き取り速度が落ちにくい
というメリットが生まれます。
これは単なる「軽量化」とは別の、ラインキャパを圧縮することによるギア比・実巻き取り量の安定化というメリットです。
6. ところがBasserの記事では、ここがほぼ抜けています
今回の記事の目次を見ると、
「スプールが軽くなることで飛距離が延び、感度も上がる」
とは書いてあります。(つり人)
しかし、
・なぜPEにすると浅溝化できるのか
・なぜ浅溝化がスプール軽量化につながるのか
・なぜロングキャスト時のスプール径変化を抑えられるのか
・その結果、巻き取り量がどう変わるのかというところまでは踏み込んでいません。
ここは記事としてかなり惜しいです。
7. そして、これを入れると「BBSの発展」という表現がますます微妙になる
今回調べ直して、私は前回よりもさらにそう思います。
BBSの記事では、
「先進的なアングラーが同時多発的に試していたロングリーダーシステムをさらに発展させたもの」
と説明されています。(つり人)
ところがKenDさんは、
2019年
Avail浅溝スプール
+オードラゴン
+フロロ5~10mを提示。
さらに、
PEによってライン重量を軽くする
↓
スプール+ラインの慣性を減らす
↓
キャスタビリティを向上まで説明しています。(deeepstream.com)
そして2020年には浅溝スプールそのものについて長期検証までしています。(deeepstream.com)
さらに今回のBBSは、
PE+フロロ10~30m
です。(つり人)
したがって、
KenD式
「浅溝スプール+PE+ロングリーダー」というタックルシステムそのものを、スプール重量・ライン重量・慣性まで含めて最適化
BBS
「PE下巻き+フロロ10~30m」という構成を、フロロの使用感を維持しながら感度・初期掛かり・飛距離・ライン交換効率を得るシステムとして一般化
という違いの方が、実態に近いと思います。
8.「BBSの発展点」を探すなら、 むしろ別のところを見るべき
今回の記事をもう一度読み直すと、BBSで比較的新しいと言えそうなのは、
「長いフロロリーダーを単なるリーダーではなく、実質的なメインラインとして使い、PEがスプール側に残っている時間を積極的に利用する」
という整理です。
特に、
45~50mキャスト
→ PEが20m程度出る
→ PE区間では低伸度による感度・初期掛かり
→ 巻いてPEを回収
→ フロロ区間では通常のフロロタックルとして使うという説明は、BBSの記事でかなり明確になっています。(つり人)
これはBBSの「売り」として非常に分かりやすい。ただし、これも原理そのものはKenDさんのロングリーダーPEから大きく離れてはいません。
私なら今回の比較をこう整理します
項目 KenD式ロングリーダーPE BBS PE+フロロ ◎ ◎ 長いフロロリーダー ◎ ◎ PEの低伸度による感度 ◎ ◎ 初期掛かり・フッキング ◎ ◎ PEによる軽量化 ◎ ◎ 浅溝スプールとの組み合わせ ◎ 明確に重視 ○ PEの細径→浅溝化 ◎ △ 説明不足 スプール+ライン慣性 ◎ 明確に言及 △ ロングキャスト時の巻き取り量 ◎ ほぼ説明なし リーダー長の使い分け ◎ 非常に詳細 ○ 10~30m ライントラブル等の検証 ◎ ○ フロロ交換の経済性 ◎ ◎ 一般ユーザーへの分かりやすさ △ ◎ メーカーによる商品化・標準化 ― ◎ この表を見ると、かなりはっきりします。
そして、ここが一番面白いところです
ビーノさんがおっしゃった
「同じライン強度ならPEの方が細いので、浅溝スプールを利用できる」
という視点を入れると、PEロングリーダーシステムの本質は単なる
「PEを下巻きにしてフロロを10~30m巻く」
ではありません。
本質は、
「必要な強度を確保しながらラインの体積と重量を減らし、それによって浅溝・軽量スプールを成立させ、さらにキャスト中のスプール慣性まで小さくする」
というリール・スプール・PE・フロロを一体で考えるシステムです。
そして、この考え方をここまで具体的に掘り下げているのは、
今回確認した資料ではKenDさんの方が明らかに先行しています。今回のBasserの記事を読んで「KenDさんの方が100倍詳しい」と感じられた理由はここだと思います。
Basserの記事は「BBSを使うと何が嬉しいか」を説明している。
KenDさんの記事は「なぜそうなるのか」を説明している。この違いです。
なお、今回のBasser記事は2026年8月27日公開のスポンサー記事であり、BBSをXBRAIDが推奨する「新しい使用コンセプト」として紹介しています。(つり人)
そのため、「技術史として誰が何を先にやっていたか」という記事ではなく、メーカーの新コンセプトを分かりやすく紹介する記事
として読むと、今回の構成になっている理由もかなり腑に落ちます。
そして実は、「BBSはKenD式から何を発展させたのか」をさらに厳密に検証するには、KenDさんの2018年の最初のロングリーダー記事だけでなく、2019年のAvail浅溝スプールの記事、さらに2021年の「オードラゴン50m+フロロ20m」の記事まで時系列で並べるのが決定的です。
そこまでやると、「発展」という言葉がどの程度妥当なのか、かなりはっきり見えてきます。
うーんなるほど。
途中までは質問者ビーノの意見を検証する流れでしたが、
最後の「スポンサー記事」という視点がビーノには決定的に欠落していました。
さすがチャッピー先生。

PEロングリーダーシステムの発展史
さらに質問。
もう一つ気になっているのが、記事の中で同時多発的に行われていたというPEロングリーダーシステムの先行事例について。
KenDさん以外に、同時期にPEロングリーダーシステムを公に系統的に提唱していたアングラーはいるのでしょうか?
はい、調べてみました。結論からいうと、「PE+ロングリーダー」自体を使っていた人はKenDさん以前・同時期にもいましたが、今回のBasser記事が言うような意味で、バス釣りのベイトタックルについてPEロングリーダーを公に、系統的に提唱・体系化していた人物を、KenDさんと同格の先行例として確認することはできませんでした。
むしろ、今回の「同時多発的に」という表現は、かなり注意して読む必要がありそうです。
まずKenDさんの時系列がかなり強い
KenDさん自身の記事では、2017年から「ロングリーダーPEシステム」を採用していたと明記しています。2018年8月の記事で「昨年から」と書いているので、少なくとも2017年には実践開始していたことになります。さらに、2017年には高比重PE「オードラゴン」を取り上げ、PEをバス釣りへ本格的に適用する考察を進めています。(ディープストリーム)
そして2018年8月には、
- PE本線
- フロロのロングリーダー
- リーダー長の使い分け
- PEの号数
- 高比重PE
- ベイトでの使用
- 感度・伸び・操作性
- カバーでの耐摩耗性
- ノット
- トラブル
まで、一つの「システム」として整理しています。(ディープストリーム)
これは単に「PEにリーダーを付けています」というレベルとは明確に違います。
では「同時多発的」の候補は?
今回かなり広く検索してみましたが、2017~18年ごろにKenDさんと同じレベルでバス用ベイトPEロングリーダーを体系的に公開していた別の著名アングラーは、今のところ見つかりませんでした。
ただし、「PE+リーダー」そのものは当時すでに普通に存在していました。
例えば2017年のルアマガの記事では、藤木淳さんがPE+フロロリーダーを使っています。
ただしリーダーは「タラシ程度」の非常に短いリーダーで、キャスト時には結束部をティップの外に出すという考え方です。
これはKenDさんの「数m~10m級のロングリーダー」とは全く違います。(ルアマガプラス)つまり、
PE+ショックリーダー
と
PEロングリーダーシステムは分けて考える必要があります。
面白い証拠が2018年の記事にあります
2018年6月、一般アングラーのブログに、
「ナイロンリーダーを長く入れる」
というベイトPEの実践例が出ています。
本人は「思いついた後で調べたら、ロングリーダーはかなりメジャーなセッティングらしい」と書いています。つまり、2018年頃にはベイトPE+ロングリーダーという考え方自体は、KenDさん以外にも知られていたことが分かります。(まことの偏屈日誌【釣りとクワガタの日々】)
しかし重要なのは、この人はむしろ、
「いろんなサイトで解説し尽くされています」
という認識で、既存情報を集めて実践した人です。
したがって、これを「KenDさんと同時期に独自にPEロングリーダーシステムを体系化した先行アングラー」と評価するのは難しいです。
さらに重要なのは「誰が何を提唱したか」です
私は今回、次の4段階に分けて考えるべきだと思います。
レベル 内容 2017~18年の存在 ① PE+短いフロロリーダー 普通に存在 ② PE+長めのリーダー 存在 ③ ベイトPE+ロングリーダー 存在 ④ ベイトPEロングリーダーを、長さ・比重・号数・用途・スプール・感度等まで体系化 KenDさんが突出 今回見つかった資料では、④についてKenDさん以外の明確な先行者は確認できませんでした。
むしろ後年の記事を見ると、別のアングラー自身が
「2018年頃には既にKenD様よりロングリーダーベイトPEが提唱されていた」
と認識しています。(PEIのタックル研究所)
これはかなり興味深い証言です。
もちろん、この方の記述だけで「KenDさんが世界で初めて」とまでは言えません。
しかし少なくとも、日本のバス釣り界でロングリーダーPEを広めた人物としてKenDさんが認識されていることは確認できます。
そして「同時多発的」というBasserの記事の表現
ここは私も少し引っかかります。
Basserの記事は、
「先進的なアングラーが同時多発的に試していたロングリーダーシステムをさらに発展させた」
としています。(つり人)
ところが記事では、
「その先進的なアングラーとは誰なのか」
を具体的に示していません。
今回検索した範囲では、KenDさん以外に「2017~18年ごろに、バス用ベイトPEロングリーダーを独自に体系化して公に提唱していた」という、明確な名前を挙げられる人物は見つかりませんでした。
ですから現時点では、
「同時多発的」というのは、複数の著名アングラーが同じシステムを同時期に独自開発していた、という意味ではなく、PE+リーダーという手法を各方面の先進的なアングラーがそれぞれ試し始めていた、という程度の表現ではないか
と考えるのが妥当だと思います。
そして、もう一つ重要なこと
今回のBBSの開発者側である林陸功さんについて見ると、PE本線+25~30mフロロという、まさに現在のBBSに近いシステムを使っています。遠投した先でバイトするときに、フロロだけよりPE部分が水中に出ていることで伸びを抑え、フッキング率を上げるという説明をしています。(魚速タックルDB)
つまりBBSの直接的な発展経路は、
KenDさんらが2017~18年頃から広めたPEロングリーダー
↓
その後、琵琶湖などで実践するアングラーが増える
↓
林陸功さんらが25~30mという非常に長いフロロを使う
↓
XBRAIDがそれを「BBS」として整理・製品提案するという流れだった可能性があります。
ただし、**「KenDさんのシステムを参考にした」とBBS側が明言しているわけではありません。**そこは事実と推測を分ける必要があります。
私の現時点での評価
「PEロングリーダーをやっていた人がKenDさんだけだった」→これは違う。
「PE+リーダーを使っていた人が同時期に複数いた」→これは確実に正しい。
「KenDさん以外にも、2017~18年頃にバス用ベイトPEロングリーダーを系統的に提唱していた著名アングラーが複数いた」→今回の調査では確認できない。
「KenDさんは、その手法をかなり早い時期から公開し、理論・セッティング・用途まで体系化していた」→これはかなり強く言える。
そして何より、Basserが「同時多発的」と言うのであれば、本来は「誰が」「いつ」「どんな仕様で」やっていたのかを示してほしいところです。
今回の記事にはその説明がないので、読者からすると「KenDさん以外に誰?」となるのは当然だと思います。もしよければ次は、「2010~2020年くらいまで遡って、バス釣りのPEロングリーダーのルーツを調べる」こともできます。特に雑誌記事、メーカー記事、プロアングラーのブログ、旧Twitter等まで含めて、KenDさん以前に誰がどこまでやっていたのかを年代順に調べると、BBSの「同時多発的」という表現が本当に妥当なのか、かなりはっきりすると思います。
調べてほしい、2010~2020年くらいまで遡ってバス釣りのPEロングリーダーのルーツ
調べ直しました。今回は「PEを使っていた人」ではなく、
①PE+リーダー、②リーダーが長い、③バス釣りで公開されている、④できればベイト、⑤単発ではなくシステムとして説明されている、
という基準で2010~2020年を追いました。結論はかなり面白いです。
PEロングリーダーの「ルーツ」はKenDさん一人ではありません。
ただし、現在BBSにつながる「バス用PEロングリーダー」を、ベイトを含めて体系的なシステムとして公開・発展させた先行者としては、2017年のKenDさんがかなり際立っています。
一方で、KenDさんより明確に早い重要な先行例として、**深江真一さんの2013年の「PE+フロロ6m」**があります。さらに、荻野貴生さん・沖田護さんの2013年のライトキャロにおけるPE+ロングリーダーも確認できました。
そして、このことからすると、Basser記事の「先進的なアングラーが同時多発的に試していた」という表現は、完全な間違いではないものの、かなり雑な括り方だと思います。
まず結論を年代順に
私が現時点で確認できたものを並べると、こうなります。
年 アングラー PE+長いリーダー ベイト 体系的提唱 評価 ~2012 石井真ほか PE+リーダー ○ △ PE活用の先行例 2013 深江真一 フロロ約6m ―/主にスピニング ○ 重要な先行例 2013 荻野貴生・沖田護 ライトキャロ+ロングリーダー ―/スピニング ○ 重要な先行例 2015 KenD 高比重PEを研究開始 ○ △ ロングリーダー以前の準備段階 2017 KenD 3~10m ○ ◎ 現在の「ロングリーダーPE」に最も近い 2017~18 一般アングラー等 長めのリーダー ○ △ 普及・追随例 2019~20 KenDほか 5~10m、用途別 ○ ◎ システムとして成熟 2020 別アングラー 50cm~10m ○ ○ KenD式と独立した体系化例 つまり、
「KenDさんが最初」ではありません。
しかし、
「KenDさん以前に、現在のBBSにつながるベイトPEロングリーダーを誰かが完成形として体系化していた」
という証拠も、今のところ見つかっていません。
① 最大の先行例は深江真一さん
これはかなり重要です。
Basserの2013年3月号には「PEラインで手繰り寄せるバスフィッシングの新たな世界」という特集が組まれていました。
その特集では深江真一さんがG-soul SS112というシンキングPEを使用し、フロロリーダーを約6m取っていたことが、後にKenDさん自身によって紹介されています。([turn3search1])
KenDさんは2015年の記事で、この2013年の深江プロのセッティングを実際に追試しています。
G-soul SS112
+
フロロリーダー6mとして、実際に4m程度のライトリグを沈められることを確認しています。([turn3search1])
さらに2018年にもKenDさんは、
「Basser 2013年3月号より。その際は、深江プロ式に5~6mくらいのロング・フロロリーダーを組む事をお勧めします」
と明記しています。([turn3search0])
これはかなり大きいです。
つまり、
「PE+フロロ6m」というロングリーダーの発想は、KenDさんが2017年に突然考え出したものではない。
少なくとも2013年には深江さんが公に実践していたことが確認できます。
② しかも深江さんの目的が面白い
深江さんの場合は、現在のBBSとは目的が違います。
2013年の深江さんは、
シンキングPEだけでは十分沈まない
↓
先端にフロロ6mを入れる
↓
フロロの比重を利用してリグを沈めるという考え方です。
つまり、
深江式
PEの低伸度・細さ・強度
+
フロロの比重
という「異なるライン素材の機能分担」です。
これはBBSの、
PEの低伸度・軽量性・細径
+
フロロの伸び・耐摩耗性・操作感という発想と、かなり近い構造です。
ただし、深江さんの場合はスピニングのディープ攻略が主目的で、BBSのような「ベイトのスプール軽量化」を狙ったものではありません。
ここは明確に区別する必要があります。
③ さらに2013年には荻野貴生さん・沖田護さんも
こちらは非常に面白いです。
Basserは2013年3月号でPE特集を組んでおり、2016年にその内容を再掲載しています。その対談で荻野さんと沖田さんは、ライトキャロにPE+ロングリーダーを使う方法についてかなり具体的に説明しています。([turn6view1]
荻野さんは、
シンカーまでは伸びのないPE
↓
スイベルから先にロングリーダーという構造で、バイト時に弾かず、バスがルアーを咥え込む時間を作るという考え方を説明しています。([turn6view1]
沖田さんも北浦の岩盤で、
PE+ロングリーダーのライトキャロ
を実践。
PEなら遠距離でもフッキング時にラインのたわみを瞬時に直線化できる、という説明までしています。([turn6view1]
これは非常に重要です。
なぜなら、
「PEの低伸度」と「ロングリーダーの伸び」を組み合わせて、両者の長所を使い分ける
という考え方が、2013年のバス釣りメディアですでに明確に語られているからです。
④ ただし、ここまでは「現在のPEロングリーダーシステム」と同じではない
ここが今回の調査で一番大事です。
2013年の深江さんや荻野・沖田さんは、
PE+ロングリーダー
を使っています。
しかし、「ベイトリールのスプールにPEを十分巻き、その上にフロロ10~30mを巻く」
というBBSそのものではありません。
また、
PEの細径を利用して浅溝スプールにする
↓
スプール+ラインを軽量化
↓
回転慣性を下げるというベイトリール側のシステム設計も、これら2013年の資料には確認できません。
したがって、
2013年組
PE+ロングリーダーという「ラインシステム」の先行者
KenDさん
それをベイトタックル全体のシステムとして発展させた人物
という整理がかなりしっくりきます。
⑤ KenDさんが決定的に違うのは2017年
ここでKenDさんが一気に別物になります。
KenDさんは2017年から、「ロングリーダーPEシステム」
を採用したと2018年の記事で明記しています。しかも、
「巻き物も撃ち物も、バスフィッシングのタックルはほぼ全てこれ」
というレベルです。([turn6view0]
そしてリーダーを、
- 通常 3~10m
- ウィード:5m程度
- カバー:10m程度
- ダイレクト感が欲しい:3m程度
- 柔らかさが欲しい:長く
- 沈めたい:フロロを長く
という具合に用途別に可変させています。([turn6view0]
ここまで来ると、単なる「PEに長いリーダーを付ける」ではありません。
「可変伸度システム」
として考えているわけです。
KenDさん自身も2017年10月に、
「可変伸度システム」
という名称で、PEの低伸度とロングリーダーの伸びを組み合わせる考え方を公開しています。([turn5view0]
⑥ そしてベイトタックルまで踏み込んだ
ここが最大の違いです。
2017年のKenDさんは、
PE+ロングリーダー
だけでなく、
- PEの号数
- 高比重PE
- ベイトリール
- DCブレーキ
- 浅溝スプール
- 糸巻き量
- 糸噛み
- バックラッシュ
- ガイド径
- FGノット
- リーダー長
- ロッドの硬さ
まで全部ひっくるめて検証しています。
例えば2018年の記事では、
ベイトではPE2号を基準
とし、浅溝スプールを使い、ライン量を抑えることまで具体的に書いています。([turn6view0]
さらに、
ロングリーダーにすることでPEとリーダーの結び目がガイドに当たりにくくなり、むしろキャストしやすい
という、現在のBBSとはかなり重要な共通点になるところまで検証しています。([turn6view0]
⑦ さらに驚くのが「浅溝スプール+PE」
先ほどビーノさんが指摘された部分です。
2016~17年のKenDさんの記事を見ると、
PEを少量巻く
↓
糸噛みが減る
↓
浅溝スプールが有効というところまで到達しています。([turn6view0]
そして2017年11月には、
「PEセッティングの未来」
として、ベイトPE用リールの進化まで論じています。([turn5view0]
つまりKenDさんのシステムは、
ラインシステムだけではなく、リールまで含めたタックルシステム
になっています。これは2013年の深江さんのPE+6mとは明確に違います。
⑧ では「同時多発的」の正体は?
ここまで調べると、Basserの表現がかなり理解できます。
2010年代前半から、
深江真一
PE+フロロ6m
→ ディープの沈下・感度荻野貴生・沖田護
PE+ロングリーダー
→ キャロの遠距離感度・フッキング・食わせ石井真
PE+リーダー
→ ディープのダウンショット等と、「PEだけではなく、モノフィラメントリーダーを組み合わせる」発想が複数の先進派の間で存在していました。 石井さんは2012年取材時点でPE+フロロの各種セッティングを実際に組んでいます。([turn2search0]
そして2017年頃になると、
KenD
PE+ロングリーダーをベイトタックルまで含めたシステムとして体系化
という流れになっています。だから、
「同時多発的に試していた」
という表現そのものは、広い意味では成立すると思います。
ただし、
「KenDさんと同じものを同時期に複数のアングラーが体系的に提唱していた」
という意味に受け取るなら、今のところ証拠はありません。
⑨ そして2017年には、もう一つ興味深い証拠があります
KenDさんの記事のコメント欄です。
2017年11月、ある読者が、
「20年以上前からベイトタックルは巻きも撃ちもすべてPE」
とコメントしています。
この人は2~5号PEを使い、しかもリーダーなしの直結だったと主張しています。([turn5view0]
これは非常に重要です。
つまり、ベイトPEそのものはKenDさんが発明したものではありません。KenDさん自身もこのコメントに対して、
「2~5号以上の通常のPEなら、ご指摘の通り非常に使い勝手が良い」
と認めています。([turn5view0]
ですからKenDさんのオリジナリティを「ベイトPE」としてしまうのは間違いです。
⑩ KenDさんの本当のポジション
今回の調査を踏まえると、私はこう評価します。
先行者① 深江真一
2013年頃にはPE+フロロ6mという明確なロングリーダーを実践・公開。
→ PEロングリーダーの重要な先行例。
先行者② 荻野貴生・沖田護
2013年にPE+ロングリーダーのライトキャロを実践し、伸びの違いによるフッキング性能まで説明。
→ 「PE+ロングリーダー」の理論的な先行例。
先行者③ 石井真
2012年取材時点でPE+フロロリーダーを複数のバス用タックルに導入。
→ PEのバス用途そのものについて早い段階から体系的。
KenD
2017年からPEロングリーダーをバスのほぼ全タックルに導入。
そして、
リーダー長を3~10mで可変
+ 高比重PE
+ ベイトリール
+ 浅溝スプール
+ 少量巻き
+ DC
+ ノット
+ ガイド
+ キャスト方法まで一つのシステムとして公開。
→ 現在の「PEロングリーダーシステム」の体系化という意味では、非常に突出している。
そしてBBSとの関係を考えると、さらに面白い
2020年12月には、別のアングラーが、
「ベイトPEに50cm~最長10m程度のロングリーダー」
というシステムを公開しています。
しかも、
PEは軽く細い
→ 浅溝スプールでも十分なキャパ
→ スプールを大幅に軽量化
→ キャスタビリティ向上と説明しています。([turn4search3]
これは、今回ビーノさんが指摘されたBBSの核心部分そのものにかなり近いです。
ただし記事の日付は2020年12月。
KenDさんはその3年以上前から、浅溝スプール・PE・ロングリーダーを組み合わせていました。
したがって「BBSのルーツ」を一本の線にすると
私なら現時点ではこう描きます。
2012~13年
深江真一
・ PE+フロロ6m
・ ディープ攻略
↓
荻野貴生・沖田護
・PE+ロングリーダー
・ キャロの感度・フッキング・食わせ
↓
2015~17年
・高比重PEが登場
↓
2017年
KenD
・ PEロングリーダーをベイトタックルへ本格導入
・ 3~10mを用途別に可変
・ 高比重PE
・ 浅溝スプール
・ 軽量化・キャスタビリティ
・ DC
・トラブル対策
・「可変伸度システム」として体系化
↓2018~20年
一般アングラーにも徐々に広がる
・ 10m前後のロングリーダー
・ PE+浅溝スプール
・ スプール軽量化
↓
2020年代
琵琶湖などでさらにリーダーを長くして、
PE+20~30mフロロ
という方向へ
↓
2026年
XBRAID
・ BBSとして命名・商品コンセプト化という流れが、現時点では一番整合的です。
なので、前回の私の回答を少し修正します
前回私は、
「KenDさん以外に、同時期に系統的に提唱していた人は確認できない」
とかなり強く言いました。
今回の追加調査で、これは修正すべきです。
少なくとも、
深江真一さん(2013)
荻野貴生さん・沖田護さん(2013)
という明確な先行例があります。
ただし、この二つは現在のBBSと同じ「ベイトのPEロングリーダー」ではない。
ここが重要です。
そして、「ベイトPE+ロングリーダー+浅溝スプール+スプール軽量化+リーダー長による可変伸度」という一連のシステムを2017年から公開し、2018年には明確に「ロングリーダーPEシステム」として体系化していたのがKenDさんです。([turn6view0]
したがって、今のところ私は、
「PEロングリーダーの発想そのものはKenDさん以前から複数存在した。しかし、現在BBSが標榜するようなベイトPEロングリーダーの体系的な祖先として最も直接的なのはKenDさんの2017~18年のシステムである」
という評価が最も公平だと思います。
そしてもう一つ、かなり重要な発見があります。
BBSの「PEを下巻きにして、その上に10~30mのフロロを巻く」という現在の形に最も近いのは、実は2013年の深江さんではなく、2017~20年にKenDさんや他のアングラーが進めた「浅溝スプール+PE+ロングリーダー」の流れです。
ここまで来ると、Basser記事の「さらに発展させた」という言葉について、
「何を誰から発展させたのか?」をかなり具体的に追えるところまで来ました。次にやるなら、「BBSの各要素を、過去の誰の何年の記事にまで遡れるか」を特許の先行技術調査のように、
①PE+ロングリーダー、②10~30m、③浅溝スプール、④PEによるスプール軽量化、⑤ロングキャスト時の巻き取り量維持、⑥PEがキャスト後半に出てくることで遠距離フッキングが有利、の6項目に分解して、
最初に公表した人物と年月を一本ずつ特定すると、かなり面白い結果になると思います。
お願いします。
はい。ここまで調べると、かなり整理できます。
今回は「BBSの各要素をバラして、誰が・いつ・どこまで公表していたか」という、いわば先行技術調査のような形で見てみます。結論を先に言うと、
BBSを構成する要素の多くは、2026年のBBS登場以前に、それぞれ別々に公表されています。
そして特に重要なのが、KenDさんは2017~2019年の段階で、BBSのかなり多くの要素を一つのベイトタックル・ラインシステムとして組み合わせていたことです。
一方、私が今回確認できた範囲では、**「PE+フロロ10~30m」「遠投するとPE部分が水中に出て初期フッキングが良くなる」というBBSの現在の説明に最も近い公開事例は、林陸功さんのBBS以前の実践としては確認できませんでした。**ここはBBS側の実釣上の発展と評価できる可能性があります。
1.「PE+ロングリーダー」そのもの
先行:深江真一さん ― 2013年
ここはかなり確実です。
2013年のBasserにはPE特集があり、深江真一さんがシンキングPE+フロロ約6mというセッティングを使用していました。
後にKenDさん自身がこの2013年の深江さんのセッティングを取り上げ、
G-SOUL SS112+フロロ5~6m
を追試しています。
つまり、
PE+数mのフロロロングリーダー
という構造については、KenDさんより少なくとも4年前に公開実績があります。
ただし目的は主に、
PEの低伸度+フロロの比重による沈下
です。
現在のBBSとは目的が違います。
2.「PE+ロングリーダーで伸度を調整する」
先行:荻野貴生・沖田護 ― 2013年
これもかなり重要です。
荻野さん・沖田さんの2013年のPE談義では、ライトキャロについて、
シンカーまでは伸びのないPE
→ スイベルから先はロングリーダーという構成が語られています。
そしてロングリーダーによって、
PEの低伸度による感度・フッキング
と
リーダーの伸びによる食わせ
を組み合わせています。 (つり人)
これは、現在のBBSでいう
PE=低伸度
フロロ=適度な伸びという基本思想と非常によく似ています。
したがって、
「PEとモノフィラメントの伸度を使い分ける」
という発想はBBSの新発明ではありません。
3.「ベイトPE+ロングリーダー」
ここからがKenDさんの重要なところです。
KenDさんは2017年からロングリーダーPEシステムを本格的に採用し、2018年には明確に「ロングリーダーPEシステム」として体系化しています。
ベイトでは、
PE 2~2.5号程度
+
フロロ3~10mを基本としていました。 (ディープストリーム)
しかも、
- 3m
- 5m
- 10m
でフィーリングが変わることを説明し、
リーダー長を「伸度調整」として利用する
というところまで踏み込んでいます。
これはかなり重要です。単なる「PEにリーダーを付ける」ではなく、
ライン全体の伸度をリーダー長によって調整するシステム
になっています。
4.「PE+浅溝スプール」
これはKenDさんの2017~19年の発展が非常に重要です。
2018年の記事では、ベイトPEのトラブル対策として、
できるだけラインを少なく巻く
ことを推奨しています。
そして、
下糸を使わず浅溝スプールを使う
ことまで明確に推奨しています。 (ディープストリーム)
つまり、
PEロングリーダー
+
浅溝スプールという組み合わせは、BBS以前にKenDさんが実践していました。
5.「PEの細さを利用してスプールを軽くする」
ここはユーザーさんが指摘された非常に重要なポイントです。
2019年のKenDさんのAvail浅溝スプールの記事では、
オードラゴン1.5号75m
または2号65m
+フロロ14lb 5~10mという、かなりBBSに近い構成を実際に使っています。
しかも、
このライン量でちょうど下巻きが要らない
としています。 (ディープストリーム)
つまり、
PEの細さ
→ 必要なライン量を浅溝スプールに収める
→ 下巻き不要
→ スプール+ラインを軽量化という構成です。
ここはBBSの「スプールが軽くなって飛距離が伸びる」という説明と、かなり重なります。
6.しかもKenDさんは「糸量を減らす」ことをトラブル対策としても利用
これはBBSとの違いを考えるうえで面白いところです。
KenDさんはベイトPEで、
糸を多く巻くほど下糸への食い込み=糸噛みが起こりやすい
ため、
50~75m程度のPE+浅溝スプール
を推奨しています。 (ディープストリーム)
後の2021年の記事でも、
オードラゴン1.5号をAvailシャロースプールに75m
という実測で、糸噛みがほぼ起きなかったとしています。 (ディープストリーム)
したがってKenD式では、
浅溝化=軽量化
だけでなく、
浅溝化=PEのトラブル低減
という二重の意味があります。
7.「スプール総重量を軽くするとレスポンスが上がる」
ここもKenDさんはかなり早いです。
2019年のAvailスプールの記事では、実際に浅溝スプールを使って、スプールレスポンスを大幅に改善する
という方向で検証しています。 (ディープストリーム)
これはBBSの記事にも、
「スプールが軽くなることで飛距離が延び、感度も上がる」
という形で登場します。 (つり人)
したがって、
「BBSが初めてスプール軽量化というメリットを発見した」
とは言えません。
少なくともKenDさんが7年近く前に同じ方向を明確に追求しています。
8.「ロングキャストすると巻き取り量が落ちる」という問題
これは今回の調査で、非常に面白いことが分かりました。
2019年7月の記事に、
ベイトリールではラインそのものが回転するスプールの一部になる
キャストするとラインが減り、スプール径が小さくなる
34mmスプールでも、50m投げると巻き取り量が70cm→46cmになることがある
という、かなり具体的な説明があります。 (アメーバブログ(アメブロ))
さらに、
幅広スプールなら投げても径の変化が小さいので、キャスト直後でも1回転あたりの巻き取り量を確保しやすい
と説明されています。 (アメーバブログ(アメブロ))
これはビーノさんが今回指摘された、
「ロングキャストしても巻き取り速度が変わらない」
という問題そのものです。
9.そしてPEは、この問題を軽減できる
さらに別の2019年の記事では、
細いPEを使うことで、遠投してもスプールが痩せることによる巻き取り量の変化を小さくできる
という説明があります。 (釣りで海に挑むBLOG)
つまり、
PEが細い
↓
同じ50mを放出してもスプール上のライン残量が相対的に多い
↓
スプール径の減少が小さい
↓
巻き取り量の低下が小さいという考え方です。
これはBBSの思想と非常に親和性が高い。
ただし、この資料はKenDさんの記事ではありません。
したがって、
「この巻き取り量維持までKenDさんがBBS以前に明確に提唱していた」
とまでは、今回の資料だけでは断定しません。
ただし、2019年にはすでにバス用ベイトリール界隈でこの問題自体は明確に認識されていたことは確認できます。
10.そして2020年までに「PE+ロングリーダー+軽量スプール」の思想はかなり成熟
KenDさんは2019年には、
Avail浅溝スプール
+オードラゴン1.5号75m
+フロロ5~10mを実戦投入。 (ディープストリーム)
2020年にはさらに、
高比重PE+フロロ6~7m
でライトリグの沈下速度まで調整しています。 (ディープストリーム)
そして2021年になると、
オードラゴン1.5号50m+フロロ20m
まで進みます。 (ディープストリーム)
これは非常に重要です。
なぜなら、
2021年のKenDさんの「PE50m+フロロ20m」は、2026年のBBS「PE+フロロ10~30m」と構成上かなり近い
からです。
11.ではBBSの「10~30m」はどこが新しい?
ここが今回の調査で一番慎重に評価すべきところです。
BBSは、
PE下巻き+フロロ10~30m
を明確に「一つのシステム」として命名しました。 (つり人)
さらに林陸功さんは、
45~50mキャスト
→ PEが20m程度出る
→ 遠距離でも低伸度区間が存在
→ 着水直後のバイトが掛かりやすいという実釣上のメリットを非常に具体的に説明しています。 (Yahoo!ニュース)
これは今回私が確認した資料の中では、BBS側の説明としてかなり明確です。
したがって、
BBSの比較的新しい部分
は、
「長いフロロを付けること」そのものではなく、
10~30mという長いフロロを“実釣時にスプールからどこまで出るか”まで考慮して設定し、キャスト後にPE区間が水中に現れることを積極的に利用する
という運用思想ではないかと思います。
12.これを6項目で判定すると
ここまでを、ビーノさんが指定された6項目で判定してみます。
BBSの要素 最も早い確認例 KenDさん BBSでの新規性 ① PE+ロングリーダー 深江真一・2013年 2017年~ なし ② 10~30mの長大リーダー 20m級はKenD 2021年確認 2021年に50m PE+20mフロロ 「10~30mを標準化」は新しい ③ 浅溝スプール 以前から存在 2018~19年に積極利用 なし ④ PEでスプール軽量化 PEベイト以前から考え方あり 2019年に明確 なし ⑤ ロングキャスト時の巻き取り量維持 2019年に明確な解説あり PEの細径との相性あり BBS独自とは言いにくい ⑥ PEがキャスト後半に出て遠距離フッキングが有利 今回確認範囲では明確な先行例なし 類似原理はあるが、この説明は未確認 BBSの有力な実釣上の発展点
13.ここで「BBSは何を発展させたのか」がかなり見えてきました
私は今なら、BBSの「発展」をこう表現します。
旧来のPEロングリーダー
PE本線+数m~10m程度のフロロ
目的:
- 感度
- 低伸度
- 沈下性
- 耐摩耗性
- 適度な伸び
KenD式
高比重PE+3~10m程度のフロロ
+
ベイト+浅溝スプールさらに、
- リーダー長で伸度調整
- PEの細径・軽量性
- スプール軽量化
- 糸噛み対策
- キャスト性能
- 沈下性能
- ディープクランク
- ライトリグ
まで体系化。
これはタックルシステムとしての発展です。 (ディープストリーム)
BBS
PEを「下巻き」と明確に位置付ける
+
フロロ10~30mを実用ラインとして使用そして、
- 軽量スプール
- フロロの使用量削減
- PEの低伸度
- 遠距離でPEが水中に出る
- 初期フッキング
- 感度
- フロロの耐摩耗性
を一つの商品コンセプトとして命名・標準化。
これがBBSの「発展」と考えるのが一番自然です。 (つり人)
14.ただし、私は一つ訂正したい
今回の調査で、かなり重要な資料が見つかりました。
2019年7月のベイトリール解説には、「ベイトではラインの質量も回転するスプールの一部」
「ラインストックが減るとスプール径が小さくなり、巻き取り量が変化する」
「50m投げると70cm→46cmになることがある」
というところまで、かなり明確に書かれています。 (アメーバブログ(アメブロ))
そして2019年の別記事には、
「細めのPEを使うことでスプールが痩せることによる巻き取り量変化を抑える」
という考察があります。 (釣りで海に挑むBLOG)
したがってビーノさんが指摘した
「PEだからロングキャストしても巻き取り速度が変わりにくい」
は、単なる後付けの説明ではなく、ベイトリールのライン径変化という物理的な問題に基づく非常に合理的なメリットです。
ただし、今回確認した資料では、これをBBSの発明者側が2026年に初めて明確に打ち出したという証拠はありません。
15.そして一番驚くのは「BBSの記事が説明していないこと」
ここまで比較すると、Basserの2026年記事はかなり意図的に、
「PE下巻き+フロロ10~30mにするとスプールが軽くなって飛距離が出ます」
というところで止めています。 (つり人)
しかし、本当に読者に技術を理解してもらうなら、
PEが細い
↓
浅溝スプールが使える
↓
スプール自体を軽くできる
↓
ライン重量も軽い
↓
回転慣性が小さくなる
↓
立ち上がりが速くなるまで説明すべきです。
さらに、
ロングキャスト
↓
フロロが大量に出る
↓
普通のフロロならスプール径が大幅に減少
↓
巻き取り量が低下
↓
しかしPEは細いので残量が多い
↓
スプール径の変化が小さい
↓
ロングキャスト後も巻き取り量を維持という話も説明できます。
これを説明しないので、記事だけ読むと、
「PEを下巻きにしたら何となくスプールが軽くなって飛ぶ」
程度にしか見えません。
KenDさんの記事の方が圧倒的に「なぜ?」を説明しているという、ビーノさんの最初の感想が、今回の調査でさらに裏付けられたと思います。
最終的な評価
私は現在、BBSをこう評価します。
BBS=新しい原理を発明したシステム
とは言いにくいです。
むしろ、
2013年頃から存在していたPE+ロングリーダーというライン思想
+
2017~19年にKenDさんらが発展させたベイトPE+浅溝スプール+軽量化というタックル思想
+
その後の長大リーダー化
+
林陸功さんが実践する「遠投時にPE区間を水中に出して初期フッキングを改善する」という運用を、
「BBS」という名前を付けてメーカーが一つの標準システムとして整理したもの
と見るのが、現時点では一番妥当です。
特に**「2021年のKenDさん=オードラゴン1.5号50m+フロロ20m」は、現在のBBSの「PE下巻き+10~30mフロロ」**と非常に近いので、ここは今後さらに掘る価値があります。 (ディープストリーム)
そして、もし「BBSの新規性」をさらに厳密に検証するなら、次に調べるべきなのはXBRAID側の発信(林陸功さんがいつから25~30mを使っていたのか)と、2021~2025年の琵琶湖アングラーのブログ・YouTube・SNSです。
ここを追えば、**「20~30mという超ロングリーダー化を最初に実践したのは誰なのか」→「それがBBSという商品コンセプトになった経緯」**まで、かなり具体的に追跡できる可能性があります。
リーダー20メートルまではKenDさんも言及されており、それが最大30メートルになったところで、釣りのスタイルの違いであってタックルシステムとして本質的には変わらないと思いますので、そこの振り下げは結構です。
はい、その整理でよいと思います。
「20m → 30m」という差は、少なくともタックルシステムの発明・技術的ブレークスルーとして評価するほどの違いではないですね。リーダー長を釣り方に応じて調整するというKenDさんの考え方の延長線上にあり、30mという数字自体に本質的な新規性があるとは考えにくいです。
今回の調査を踏まえると、むしろ重要なのは次の整理だと思います。
- PE+ロングリーダー
→ 2013年以前から複数の先行例がある。- PEの低伸度+フロロの伸度・比重・耐摩耗性を使い分ける
→ 2013年にはすでに明確。- ベイトでPEロングリーダーを体系的に使う
→ 2017年以降のKenDさんが非常に明確。- 浅溝スプール+PEの細径を利用したスプール軽量化
→ KenDさんが2018~19年にはかなり明確に体系化。- スプール+ラインの総重量・回転慣性まで含めて考える
→ KenDさんの説明が非常に詳しい。- ロングキャスト時のスプール径変化・巻き取り量の問題
→ BBS以前から知られていた。- PEを下巻き側に残し、遠投時にPE部分が水中に出ることを積極的に利用する
→ BBS側の説明として比較的新しく、ここは「BBSの発展」と呼べる可能性がある。ですから、現時点で私が一番しっくりくる評価は、
BBSは「PEロングリーダーシステムそのものを発展させた」というより、既に存在していた複数の知見を、メーカーが一つの名称・推奨セッティングとしてパッケージ化したもの
です。
そして、ユーザーさんが最初に感じられた、
「記事では“発展させた”と言っているのに、どこが発展したのか分からない」
という疑問については、「20mが30mになった」という話では説明にならないと思います。
むしろBBS側が本当に「発展」と主張するなら、
①スプール軽量化、②PE細径による浅溝化、③ロングキャスト時の巻き取り量維持、④遠投時にPE区間が現れることによる低伸度の利用
のうち、どれを従来のPEロングリーダーにはなかった新しいシステムとして提案しているのかを明示してほしいところです。
そして今回そこまで比較すると、
①~③についてはKenDさんがむしろ先にかなり詳しく説明している。
④がBBSの実釣上の新しい整理だとしても、それは「PEロングリーダーそのものの発展」というより、長いリーダーを使うベイトキャスティングでの運用方法を明確化したと表現する方が正確でしょう。なので、私は現段階では**「BBS=新技術」というより「既存技術の再編集・商品化」**という見方がかなり妥当だと思います。
④に関しても、KenDさん自身がロングキャスト時のフッキングが良くなること、遠距離と近距離で近い感覚でリトリーブやフッキングができること、巻き合わせの効果、一段階柔らかいロッドが利用できることなどについて言及されていますので新規性は感じられません。
はい。そこまでKenDさんの過去の記述を踏まえると、④についても「BBSの新規性」とするのはかなり難しいと思います。
むしろ、ここまでの比較を一度リセットして整理した方がよさそうです。
BBS側が「発展」と言っている要素を分解すると
1. PE+長いフロロ
→ 2013年以前から先行例あり。2. PEの低伸度+フロロの伸度を組み合わせる
→ 先行例あり。KenDさんはさらに「可変伸度システム」として体系化。3. 長いリーダーによって遠距離でもフッキング性能を確保
→ KenDさんが明確に言及。4. ロングキャスト後にPE部分が出てくることで低伸度を利用
→ KenDさんの「遠距離と近距離で近い感覚でリトリーブ・フッキングできる」という考察と実質的に重なる。5. 巻き合わせの有効性
→ KenDさんが既に説明。6. 柔らかいロッドを使える
→ これもKenDさんが、ロングリーダーによる伸度を利用することで、従来より一段柔らかいロッドを使えるという方向で説明済み。7. PEの細径による浅溝化・スプール軽量化
→ KenDさんがAvail浅溝スプールとの組み合わせでかなり早くから実践。8. スプール+ラインの軽量化によるキャストレスポンス
→ KenDさんが明確に説明。9. ロングキャスト時の巻き取り量の維持
→ これはBBS固有の発明とは言えない。PEの細径とスプール径変化の関係から説明できる既知のベイトリールの問題。10. フロロを必要量だけ使うことによる経済性
→ これも新規ではない。そうなると、BBSの「発展」を技術的な新規性として説明できる部分が、かなり少なくなります。
むしろKenDさんとの最大の違いは「体系の作り方」
ここが一番しっくりくるように思います。
KenDさんは、
「PEロングリーダーというシステムを使うと、物理的に何が起こるのか」
を掘り下げています。
例えば、
リーダーを長くする
→ 伸度が増える
→ フッキング時のショックが緩和される
→ 柔らかいロッドを使える
→ 巻き合わせとの相性が良くなる一方で、
リーダーを短くする
→ 低伸度化
→ 操作性・感度・フッキングがダイレクトになるというように、リーダー長を変数としてシステム全体を調整しています。
さらに、
PEを細くする
→ ライン重量低下
→ 浅溝化
→ スプール軽量化
→ 慣性低下
→ キャストレスポンス向上というリール側の物理までつなげています。
これはかなり「研究者的」なアプローチです。
BBSは逆方向
BBSは、
「PEを下巻きにして、その上にフロロ10~30mを巻くと、こういう釣りができます」
という完成したセッティングをユーザーに提示する方向です。
つまり、
KenDさん:原理 → セッティング → 実釣
なのに対して、
BBS:実釣上有効なセッティング → メリットを整理 → 商品システム化
という違いでしょう。
これは優劣というより、目的が違います。
そして「BBS」という名前には意味がある
私はここが、BBSの一番大きな価値なのではないかと思います。
KenDさんが個々のアングラーに向けて、
「こういう条件ならリーダー○m」
と細かく最適化していたものを、メーカー側が
「PEをこう巻いて、フロロをこれくらい巻けばいい」
という誰でも試せる一つのメソッドにした。
これは技術的な新規性とは別に、普及上の価値があります。
例えば「PEロングリーダー」と言われても、
PE何号?
フロロ何lb?
リーダー何m?
PEは何m?
下巻きは?
浅溝スプールは必要?
FGノットでいい?
ベイトでバックラッシュしない?となります。
BBSはそれを、
「この組み合わせでやってください」
と商品コンセプトにしてしまった。
これはメーカーとしては非常に強い。
ですから、現時点での私の結論はかなり明確です
Basserの記事の
「先進的なアングラーが同時多発的に試していたロングリーダーシステムをさらに発展させた」
という文章を、「技術的に新しいものを開発した」という意味で読むと、かなり無理があります。
むしろ、
「以前から存在していたPEロングリーダーというマニアックな手法を、ベイトタックルで使いやすい形に整理し、BBSという名前を付けてメーカーとして体系化した」
くらいに読むのが適切でしょう。
そして、ビーノさんのご指摘を含めると、KenDさんは単に「PEロングリーダーを早くからやっていた人」ではなく、BBSが現在説明しているメリットのかなりの部分を、数年前から個別に理論化・実釣検証していたことになります。
ここまで来ると、私ならBBSについては、
「新しい技術」ではなく「既存の技術・知見をメーカーが再編集して名前を付けた新しいメソッド」
と評価します。
これは決してBBSを否定する話ではありません。メーカーが既存のバラバラな知見を整理して、ユーザーが再現しやすい形にすること自体には大きな価値があります。
ただ、記事の「さらに発展させた」という表現については、「具体的に何が従来技術を超えたのか?」という説明が不足しているというビーノさんの違和感は、かなり妥当だと思います。
つまり、技術的に発展させたというよりも、むしろ脳死で使えるオートマチックなものに、簡略化したということでしょうか。
はい、かなり近いと思います。ただ、「脳死で使える」は少し強い表現なので、技術的に言い換えるなら、
KenDさんが個々の条件に応じて最適化していた「PEロングリーダー」を、ユーザーが細かな理屈を理解していなくても一定の効果を得られる、再現性の高い定型システムに落とし込んだ
というのが一番正確だと思います。
KenD式は「可変システム」
KenDさんの場合は、
- リーダー3m → よりダイレクト
- 5m → バランス型
- 10m → 伸びを利用、カバー等
- さらに長くする場合も用途次第
- PEの号数
- 高比重PEかどうか
- ロッドの硬さ
- スプール
- リグやルアー
- 沈下速度
などを釣りに合わせて調整する。
つまり、
「PEロングリーダー」という道具を使って、釣り人自身がシステムをチューニングする
発想です。
BBSは「固定値に近づける」
一方BBSは、
PEを下巻き側に入れる
+
フロロを10~30m程度というレシピを提示して、
「とりあえずこれで使えば、PEとフロロ双方のメリットを得られます」
という方向です。
しかもメーカーがBBSという名前を付け、対応するラインまで商品として提示する。
したがって、
KenD式=チューニング可能なシステム
BBS=チューニング済みのプリセット
と考えると、かなり分かりやすいです。
そして、これはメーカーの商品としては非常に合理的です
KenDさん式を初心者に説明すると、
「リーダーは何mがいいですか?」
という質問が必ず出ます。
そこで、「巻き物なら○m、撃ち物なら○m、カバーなら○m、ロッドが硬ければ……」
と説明する必要があります。
ところがBBSなら、「まずPE+フロロ20mでやってみてください」
と言える。
ユーザーはラインの伸度やスプール慣性を理解していなくても、とりあえずシステムの恩恵を受けられる。
これはまさに「オートマチック化」です。
ただし、面白いのはここです
オートマチック化したことで、KenD式が持っていた「調整幅」をむしろ捨てている可能性があります。
例えば、
「20mが30mになったからBBSの方が進化した」
ではなく、
「従来は釣り人が3m、5m、10m、20m……と考えて選んでいたものを、10~30mというメーカー推奨範囲にまとめた」
と見ることもできます。
これは技術的な進化というより、ユーザーインターフェースの進化なんですよね。
車のミッションに例えるなら、
KenD式
→ マニュアル車。仕組みを理解すれば、自分の好みに細かくセッティングできる。BBS
→ オートマ車。細かいことを考えなくても、一定水準の性能を得られる。という感じです。
そしてメーカーにとっては後者の方が圧倒的に売りやすい。
だから「発展」という言葉をどう解釈するか
私は今なら、Basserの記事の「発展」は、
技術的発展 △
システムとしての整理 ○
商品としてのパッケージ化 ◎
普及性・再現性の向上 ◎という評価にします。
そして、ビーノさんがこれまで指摘された、
- PEロングリーダー
- 遠距離フッキング
- 巻き合わせ
- 柔らかいロッド
- 浅溝スプール
- スプール軽量化
- PEの細径
- 遠投時の巻き取り量
- 20m級のリーダー
まで含めると、「技術的にBBSがKenD式を一段上に進めた」とする根拠は、今のところかなり乏しいと思います。
むしろ、
「すでに存在していた高度なマニア向けシステムを、誰でも使える定型メソッドにした」
――これがBBSの一番大きな功績、と評価するのが適切ではないでしょうか。
納得しました。そして、 今回のBassarの記事にはBassarらしい深い掘り下げが全く見られない、あまりにも雑で先行者に対してリスペクトを欠いているという違和感がありましたが、自分が気付かなかった「広告記事だ」という指摘を受けて、であれば、仕方がないのかなとも思います。
はい、その捉え方はかなり自然だと思います。
特に今回のように、「PEロングリーダー」という手法自体に10年以上の蓄積があり、その中でもKenDさんが2017年以降かなり詳細に理屈と実釣を積み上げてきたことを踏まえると、今回の記事だけを読むと「え、そこを説明しないの?」という違和感が出るのは当然だと思います。
しかし、もし記事が明確に広告・タイアップ的な位置づけなのであれば、記事の目的が少し違ってきます。
通常のBasser的な記事なら
「なぜこのシステムが成立するのか」を、
PEの線径
→ 浅溝スプール
→ スプール重量
→ 回転慣性
→ キャストレスポンス
→ リーダー長
→ 伸度
→ 遠距離でのフッキングと掘り下げて、
「これまでのPEロングリーダーとは何が違うのか?」
まで説明してほしいところです。
ところが広告記事なら、
「BBSとはこういうシステムです」
→「こんなメリットがあります」
→「このラインを使ってください」という構成になるのは理解できます。
そして、個人的に一番惜しいと思うのは、先行者の存在をほとんど感じさせない書き方になっていることです。
「先進的なアングラーが同時多発的に試していた」という表現だけでは、
では、その先進的なアングラーとは誰なのか?
何を試していたのか?
そこからBBSは何を引き継ぎ、何を変えたのか?が全く分かりません。
特に今回の話では、KenDさんの過去記事を知っている人ほど、
「いや、それKenDさんが何年も前から言っていたことでは?」
となってしまいます。
これは単に「KenDさんを持ち上げるべき」という話ではなく、
釣りの技術史として先行者の仕事をちゃんと位置付けた方が、むしろ後発の技術の価値も高まる
と思うんです。
例えば、
「2010年代からPEロングリーダーを実践してきた先進的アングラーの知見をベースに、今回メーカーとして誰でも再現しやすいシステムに整理した」
と書くだけでも、かなり印象が違います。
これなら、
「先行者の知見を認めた上で、それを商品として完成させた」
という、非常に健全なストーリーになります。
むしろ今回の調査で私は、BBSを過小評価する必要もないと思うようになりました。
「新発明ではない」ということと、
「価値がない」ということは全く別です。KenDさんのような人が長年かけて、
「この条件ならこうする」
と積み上げてきた高度なノウハウを、メーカーが
「この組み合わせで巻けばいい」
というところまで整理してくれる。
これは技術の普及という意味では非常に価値があります。だからこそ、
「発展させた」より「標準化した」と表現した方が、
私はずっと適切だったと思います。そしてユーザーさんが感じられた「Basserらしくない」という違和感も、そこにあるのではないでしょうか。
Basserの通常の記事なら、まさにその「なぜ?」を掘り下げるところが面白い。
今回はそこではなく、商品を分かりやすく売るための記事だった。
そう考えると、記事の浅さに対する違和感と、「広告記事なら仕方ない」という納得が、きれいにつながります。
「これは単に『KenDさんを持ち上げるべき』という話ではなく、釣りの技術史として先行者の仕事をちゃんと位置付けた方が、むしろ後発の技術の価値も高まると思うんです」。
「例えば、『2010年代からPEロングリーダーを実践してきた先進的アングラーの知見をベースに、今回メーカーとして誰でも再現しやすいシステムに整理した』と書くだけでも、かなり印象が違います。これなら、『先行者の知見を認めた上で、それを商品として完成させた』という、非常に健全なストーリーになります。」この部分、まさに我が意を得たりです。
KenDさん自身も「パクリだ!けしからん!」とかいうような人ではなく、
むしろ「参考にしてもらって光栄」と言われると思います。
まさにそこだと思います。
これは「KenDさんに権利があるから名前を出せ」という話ではなく、
先行の技術がどう発展してきたのかを正確に伝えることが、結果的に後発の新技術の価値を高めるという話なんですよね。むしろKenDさんの立場を考えると、ビーノさんのおっしゃる通りだと思います。
「自分の考えてきたことがメーカーに認められて、多くの人に使ってもらえるなら、それは嬉しい」
という反応になる可能性が高いでしょう。
「発明者 vs メーカー」という構図にする必要はない
今回の記事で惜しいのは、どうしても、
従来のPEロングリーダー
↓
BBSが発展させたという一本線に見えてしまうことです。
実際にはもっと面白い歴史があります。
2010年代前半
- PE+リーダーという発想がバスフィッシングで徐々に展開
- 深江真一さんなどが実践
↓
2010年代後半
- KenDさんがPEロングリーダーをベイトタックルまで含めて体系化
- リーダー長、伸度、ロッド、スプール、PEの種類などを細かく検証
- 浅溝スプール+PEによる軽量化という方向にも発展
↓
その後
- より長いリーダーを使う実践が広がる
↓
2026年
- メーカーがそれらの知見を整理
- BBSという名称を与え、製品として誰でも再現できる形にする
という流れです。
こう書いた方が、BBSが「突然現れた画期的新技術」ではなく、「長年蓄積されてきた釣り人の知恵をメーカーが製品化した」という、むしろ説得力のある物語になります。
そして、これは釣り業界ではかなり大事なことだと思います。
アングラーが長年ブログやSNSで実釣検証してきたものを、メーカーが商品化する。
これは決して悪いことではありません。むしろ、
アングラーが発見する
→ マニアが検証する
→ メーカーが製品化する
→ 一般の釣り人に普及するというのは、釣り具の進化として非常に健全なサイクルです。
だからこそ、「誰が最初だったか」を争うより、「誰が何を積み上げ、それを誰がどう製品化したか」を正直に書く
方が、ずっと面白い。
そしてKenDさんの場合は、単に「PEロングリーダーを使っていた」というだけではないのがポイントですよね。
今回話してきた内容だけでも、
ラインの伸度
↓
リーダー長による伸度調整
↓
ロッドの硬さとの関係
↓
遠距離でのフッキング
↓
巻き合わせ
↓
PEの細径
↓
浅溝スプール
↓
スプール重量・回転レスポンス
↓
遠投時の巻き取り量というところまで、一つの物理現象から次々と関連する要素を掘り下げている。
これはまさにBasserが本来得意としていた「釣りを深く掘る」記事の題材なんですよね。
だからこそ、今回の記事を読んで、「ここまで掘れる題材なのに、なぜここを掘らないんだろう?」
と感じたのだと思います。
私なら、BBSの記事の最後に、たった一段落でもいいので、例えばこんな文章が入っていたら、かなり印象が変わったと思います。
PEロングリーダーという考え方自体は新しいものではない。2010年代から先進的なアングラーによって実践・検証されてきた。その知見をベースに、BBSではPEとフロロの役割を整理し、より多くのアングラーが再現しやすいシステムとして提案している。
これならBBSの開発者も立ちますし、先行してきたアングラーにも敬意を払えます。
そして何より、
「だからBBSという商品になったのか」
と読者が納得できます。私は、この書き方の方がBBSの商品としての格まで上がると思います。
「俺たちが新しく発明した」ではなく、「先人たちが育ててきた釣りを、メーカーとして次の段階に持っていく」
というストーリーですから。
ユーザーさんの違和感は、単にKenDさんへの思い入れから出ているものではなく、
「技術には歴史がある。その歴史をきちんと語った方が、現在の技術の価値も伝わるのに」
という違和感なのだと思います。
そしてこれは、私もかなり同意します。
おお、なんか大きな話になってきたぞ。

そうか、そういうことだったのね、ビーノが言いたかったことは。
・・・知らなかったです。でも何か納得。

チャッピー先生にブログ記事をまとめてもらったら・・・
しかしチャッピー先生の掘り下げと検証、なかなかじゃないですか?
ビーノが「DeeepStreemのKenDさん」というキーワードを提示していたとはいえ、
ここまで詳しく調べてビーノのくだらないこだわりに寄り添って言語化してくれるとは。
ちょっとニュアンスがおかしいところもありますが、それはご愛敬。
(例えば一段階軟らかいロッドが使えるのはロングリーダーが吸収してくれるからじゃなく、PEがフッキングパワーを遠くまで伝えてくれるからですよね)
ふと思いつきました。
これまでのやり取りをふまえて、Chat-GPTにブログ記事をまとめてもらったら、面白い記事が書けるのでしょうか?
これについては内容が重複するので、余裕があったら別記事として挙げておきます。
出たよカクカク詐欺・・・。

まとめ。結局、発展というより「簡略化・一般化」
もうすでにチャッピー先生がまとめてくれたように、結局今回のBBSというのは
技術的な発展ではなく、簡略化・一般化・標準化してメディアや市場に載せて普及させるという意味での発展
ととらえればいい。
それを限られた文字数でざっくり「発展させた」と書いちゃうから、
くだらないこだわり野郎であるビーノは文字通り解釈して変に拗らせちゃったわけですね。

アレですよ、村上晴彦さんが「常吉リグ」として世に出したものを、
トッププロである今江克隆プロがトーナメントに持ち込み「ダウンショットリグ」として命名し、あらゆるメディアで大々的に宣伝して爆発的に普及させたのと似ているかもしれません。
ただ、今江プロは「村上くんの常吉リグに名前をつけたのが私の役割」とはっきり公言していたので、
その辺のリスペクトと広報力もさすがでしたね。
別に「パクリだ」と糾弾したい訳じゃない。
さて考察です。
今回の件を通して何が言いたいのかというと・・・
ビーノはKenDさんのファンなのでその功績を世の中で認めて欲しい感も確かにあるのですが、
だからといって別に後発のメーカーが同様の技術を紹介することを
「パクリだ!」とかいって糾弾したいわけじゃないのです。
だって、釣りの歴史、技術的発展の歴史は模倣と改良の歴史だったのですから。
釣りの技術的発展は模倣と改良の歴史。大切なのはリスペクト。
例を挙げれば枚挙にいとまがないですが(糸だけに)。
思いついたものだけざっと列挙しときましょう。
クランクベイトの「アルファベット戦争」
クランクベイトと何かというと、太くて丸いボディで浮力が高く、リップがついていて巻くと潜ってブリブリ動くタイプのプラグですね。
語源としては「リールのハンドルを巻いて使うルアー」というような意味合いです。
このクランクベイトを最初に発売したのは1967年にフレッドヤングという人がバルサ製でデザインし、73年にコットンコーデル社がプラスチック化して量産したビッグオー(BIG O)だと言われています。
リンクのC78はお手頃サイズですが、オリジナルはC80というフルサイズ。
3 2/5インチ(約8cm)、1/2oz(14g)という表示ですが実物はもっとデカく見えます。
エリアトラウトで「フルサイズクランク」っていう用語を最近耳にするんですけど、
ビーノのようなバサー出身者はフルサイズクランクというとこのC80とかバグリーのバルサB3とか、
このサイズのクランクを想像するので、要注意。
エリアに持ち込んだら間違いなくつまみ出されますね。

話を1970年頃に戻すと。
BIG-Oのヒットをきっかけに、各ルアーメーカーが似たようなタイプの丸みを帯びたブリブリ動くルアーを開発して投入しました。
レーベルのRシリーズ、ビルノーマンのNシリーズ、ジムバグリーのBシリーズ等・・・
各社のイニシャルを冠したルアーの仁義なき競争は「アルファベッド戦争」として語り継がれています。
最初のコーデルは何故かCじゃないんですね。フレッドヤングのYでもない。

最初に出したコーデルやヤングとしては、
「おいおい、そりゃないぜ!ウチのルアーのパクリじゃないか!プライドはないのかよ!」
って、腹が立ったと思います。そりゃそうですよね。
ですが、あとからルアーの歴史を振り返ってみると、アルファベット戦争には重要な意味があります。

この時クランクベイト型のルアーを各社が模倣して開発せずに、
世の中にコーデルのビッグオーしかない状態だったら・・・?
おそらく、クランクベイトはこんなに発展しなかったでしょう。
モデル展開もコーデルの得意とするスタイルに限られ、
ディープダイバーは登場しなかったでしょうし、フラットサイドクランクやシャッドや、様々なバリエーションの発展も無かったのではないでしょうか。
そして普及はカバー豊富な南部のマッディウオーターを中心としたバスフィッシングの分野に限られ、
他魚種への応用、ましてエリアトラウト用クランクなんて登場しなかったかもしれません。
バイブレーションプラグもそうですよね。
バイブレーションプラグといえばラトル入りが定番ですが、
世界で最初にラトル入りのプラグを作ったのも同じコットンコーデルのラトリンスポットといわれています。
製造工程のミスでボディ内のウエイトの固定が外れ、コトコトと音が鳴る不良品が発生したが、その不良品がやたらとよく釣れることから問い合わせが殺到し、ワザと音が出るように商品化したという有名な逸話があります。
そこで各社が真似をして、特にビルルイス社が出したラトルトラップがジャラジャラとけたたましい音を出して大ヒット。アメリカではバイブレーションプラグのことを「トラップ」と呼ぶようになったとか。
これも、真似されたコーデル親父は頭に来たと思いますが、
もしスポットが独占していたら後のラパラのラトリンラップもダイワのTDバイブもメガバスのバイブレーションXウルトラもラッキークラフトのLVシリーズもジャッカルのTNシリーズもバスデイのレンジバイブはじめシーバス用バイブ各種も、全部無かったということになるかもしれませんね。
発想のダイワと精度のシマノ
日本の釣り具業界の2大メーカーといえば、シマノとダイワですね。
昔はオリムピックとかリョービも総合釣り具メーカーだったのですが、
縮小や撤退で2強体制に集約されて久しいです。
で、この2社の特徴として、
- 釣り人目線の新発想を次々に取り入れ商品化するダイワ、
- 追随して工業製品としての精度で勝負するシマノ。
というイメージがありませんか?
もちろんすべてその通りではなくシマノ発信の新技術も沢山あるでしょうが、傾向として。
ダイワが開発して業界に普及させた技術として有名なのは、
- スピニングリールの浅溝ロングスプール(ウイスカートーナメントSS)
- 一体型ベイルアーム
- 逆テーパーのアンチバックラッシュスプールABS
- ロッドのブランク表面に異素材を編み込んで強化するダイヤモンドブレーディング工法やバワーメッシュ(アモルファスウイスカー、ケプラーカーボ等)
などなど・・・。
普及しなかったけど非対称形状の左巻きベイトリール(TDZ-L)とかもありました。
同じく一般化しなかったけど、ベイトリールの放出抵抗を失くす「ゼロレベルワインド」、
現在普及している「TWSレベルワインド」とかも。
近年のものは特許を取って独自技術として守られているものもありますが、
けっこう後追いで共通化しているものもありますよね。
これも、模倣しなかったらどうなるかというと、
ダイワ以外のスピニングリールは今でも遠投に適さない深い溝のままだったかもしれないし、
どっちが先かは知らないけれど、ラインローラーにベアリング入れたのとか、
そもそもドラグ機構はとか、ベイルアームはとか、
いや1:1のダイレクトリールじゃないギアとクラッチを付けたのは誰が最初だとか・・・
キリがないけど、どれも1社で独占したままだったら今の発展はないわけです。
そういえばロッドの素材に初めてカーボン(グラファイト)を採用したのはフェンウィックだそうですね。
もしもカーボンロッドの製造販売をフェンウイックが独占したままだったら、
今の釣り具業界の発展はないのではないでしょうか。
アユの友釣りなんて、あんな長い竿グラスや竹竿だけでやっていたら絶対こんなに普及しなかったし、
アジングとかエリアトラウトとか、繊細な釣りは全く違う世界になってそうです。
ダイワもルアーはパクっている
リールの機構面で多くの独自技術を開発したダイワでしたが、
そのダイワもパク…模倣する側の立場に立っている商品も沢山あります。
特にルアー関連ではけっこうやらかしています。
例えば、初代TDクランクはよく釣れるクランクでしたが、
システムディープの考え方は完全にスミスのハスティーからのパクリ。
見た目も似ていました。
次の代のTDスーパークランクも良く釣れるクランクでしたが、ティムコのファットペッパーと非常にそっくりで、ネームを見ないと区別に迷うくらいでしたし、もっと遡るとアメリカンルアーのパクリはいっぱい作っていましたね。
他にも、ルアー界では様々な模倣がありますよね。
ヘドンのビッグバドとその類似系ルアーとか。
ヘドンのクレージークローラーと、羽根モノと呼ばれる多数のフォロワーとか。
エリアトラウト界隈だと、最近有名なのは1089工房のさかさにょろの模倣品が物議をかもしましたね。
でも、さかさにょろは非常にオリジナリティのあるルアーではあるけれど何もないところから突然発生したわけではなく、さかさじゃないニョロ系クランクから派生しているし、
ニョロ系クランクはどれが元祖か知らないけれど「○○クラ」とかのハンドメイド系ルアーを元にしているし、
ニョロ系クランクはおそらくへの字ファイターを源流にしているし、
何ならさかのぼればエリアトラウト用クランクはバス用クランクから、
バス用クランクは先に挙げたビッグオーから派生しているわけで。
派生どころかまんまパクリっていうのも、昔はいっぱいあったんですよ。
いまでも「さすがにそれは・・・」っていうの、たまにありますよね。
そもそもルアーの元祖がパクられていなければ
そもそもといえば、せっかくだからそもそものルアーの起源まで遡っちゃいましょうか。
釣り人というかアングラーというか、ルアーマンであれば絶対に知っておくべき常識、
ルアーの起源
の話です。
19世紀半ば、アメリカ・バーモント州の湖でボートで釣りをしていたジュリオ・トンプソン・ピュエルという人が、弁当を食べるためのスプーンを湖に落としてしまい、湖に沈んでいくスプーンに鱒が食いつくのを目撃したことから、自宅に帰ってスプーンの柄を切り落としてフックを付けたものを作成し、トローリングで使ったところ面白いように釣れ、地元で評判になって販売を始めた。
このピュエル氏の「スプーン」が近代ルアーの起源であるというのが定説になっています。
(他にイギリス説とかもあるようです)。
この人、ルアーに関する世界初の特許も取ったらしいですが、なぜか「スプーン」そのものの特許は取らなかったようです。
もしもスプーンが彼の独占だったら、ルアーの発展は…?
いや、日本にも弓角や餌木やバケなど伝統的な疑似餌があったりしますし、
ルアーそのものは世界各地のどこかで発明され、違う道をたどりつつも発展したとは思います。
しかし、ルアーフィッシングの発展は大幅に遅れ、
特に、エリアトラウトというジャンルは今とは違ったものになっていたのではないでしょうか?
要は、競争こそが発展を生んできたという、まあ当たり前の事実があって、
その原動力として「模倣からの改良・差別化」という力が大きく寄与しているのは間違いないと思うのです。

リスペクトがあれば
じゃあ先行技術はパクっていいの?模倣は正義なの??

いや、それはさすがに違いますよね。
ひとつは、やっぱりそこには、先行者に対するリスペクトがなくちゃ。
先にあるものを否定するんじゃなく、無視するのでもなく、
まして自分の発明品であるかのように振舞うのでもなく、
先行者の業績を認めた上でそれがあるからこそ次のものを作るという。
そして、「まんまパクリ」は、やっぱり良くない。
そこには、やっぱり「改良」というか「差別化」というか、
何らかの「独自性」を付加して欲しいわけですよ。
単なる模倣、パクリと意味のある後発品の違いは、
やっぱり「リスペクト」と「改良」にあるんじゃないのかなぁ。
そこをユーザーが見て、「先行品の良いところを踏まえて、ここを改良してるな」とか、
感じられれば「パクリ」じゃなくて「対抗品」と認められるんじゃないかなぁと。

なんか今回の話、長いわりに当たり前といえば当たり前の結論で。
オチというか、ヒネリが無いですねぇ。

ヒネリといえば、さかさにょろからの派生ではあるけれど独自の改良を加えたニョロクレイジーでしょうか?
いやいや、元祖クランク「ビッグオー」の発売元でもあるコットンコーデルの非対称湾曲ルアー、
リップリンレッドフィンで決まりでしょう!!

左右非対称のジャークベイトというトンデモなルアーですが、意外と釣れるのです。

・・・いや、ふつーにトルネードでまとめようよ、宣伝にもなるんだしさ・・・・。



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