何年も前に一度聞いただけで、未だに忘れられない怖い話です。
車にまつわる怖い話をひとつ、共有したいと思います。
職場の同僚からこの話を聞いてからかれこれ7~8年は経っていると思うのですが、
車で走っていてある行為をする人を見かけると、
実際には経験してもいないはずのこの光景が、
フラッシュバックして脳裏に蘇るくらい怖い話です。
経験もしていないのに脳裏に情報が刻まれて・・・というと、
あの名作ホラー小説の金字塔、「リング」「らせん」を思い出しますね。
ビーノは映画になる前に小説で読みましたが、文字情報で脳裏に浮かんでくる映像ったら、
超絶怖くてビビりましたよ。
読んだことない方は、是非シリーズ通しで読んでみて下さい。ループは賛否分かれると思いますが。
また脱線しました。
これを読んだ人が、こんな怖い思いをすることが無くなるように。
これ、マジです。
とある峠道を車で走っていた時の話。友人とキャンプ場に行く途中でした。
最初にこの話をしてくれたのは、職場の同僚である歯科衛生士の女性でした。
ちなみに彼女とビーノは姉弟のように外見が似ているという評判で、
二人で阿佐ヶ谷姉妹の扮装をしたことがある仲です。
・・・画像は自粛します。
たしか、職場の仲間でワカサギ釣りに行く途中の車内で聞いた記憶があります。
ビーノの同僚Aさんは、友人のBさんと山間のキャンプ場に向かう途中でした。
ちなみに友人のBさんは救命救急の看護師をしている方だそうです。
Aさんたちはバーベキューの買い出しを担当しており、
車のトランクには大型のクーラーボックスに氷と肉が満載だったそうです。
他の友人たちは先にキャンプ場に向かっていました。
画像はイメージです。
先行車から、何かが飛んできた。
初夏のさわやかな気候の中、窓を開けて新緑の空気を吸いながら走っていました。
峠の上り坂を走っていたAさんたちの車の前に、先行車が走っていました。
対向車が下り坂を凄いスピードで走り抜けて行きました。
しかもその車、あまりにも近い!!
ヒヤッとしました。
「危なっ!!」
思わず右を見てしまった視線を正面に戻すと、
細長い物体がこちらに飛んできたかと思うと、フロントガラスに・・・
「ンゴンッ!!」
慌ててブレーキを踏みましたが、鈍い音がしてフロントガラスにぶつかりました。
止まった車のボンネットに力なく乗っていたのは、
人の肘から先の前腕部でした・・・。
飛んできたのは、「右腕」だった・・・。
呆然とするAさんを構わず、助手席から友人Bさんが走り降ります。
車のトランクを開けて大きな透明のゴミ袋を取り出すと、
袋を裏返してボンネットに乗っている人の腕らしきものをつかみ、
そのままビニール袋をひっくり返してぐるぐる巻いて密封すると、
開けっ放しだったトランクに積んであるクーラーボックスの氷の中に放り込み、
蓋とトランクを閉じて助手席に乗り込みました。
救急看護師は指示した。「前の車を追って!」
動転する友人A さんに、助手席のBさんはシートベルトを締めながら指示しました。
「走るわよ。前の車を追って!」
気圧されるままにAさんは車を走らせました。
「もっと早く!」
「え・・・」
「いいから!捕まえなくちゃ!!」
Aさんはアクセルベタ踏みって初めてしたそうです。
エンジン音は大きくなったけれど、たいして速くならない。気がする。
焦る・・・
Bさんは助手席でどこかに電話をしています。
間もなく後ろからサイレンが迫って来ました。
パトカーに停められる。万事休すか?
「前の車~、止まって下さ~い」
パトカーからの低く冷静な声に、Aさんの車停止。
もう間に合わない!とAさんは思ったそうです。
警察官がAさんに話しかけようとする横から、助手席のBさんが割って入ります。
「前の車を追ってください!腕を落としました!白のSUVです!」
それだけを端的に伝えると、
警察官は何も訊かずにパトカーでものすごい勢いで走っていきました。
少し先の退避スペースに停まっているパトカーと先行車を発見。
Aさんが車を停めるとBさんは駆け下りて応急の止血をして、
その間にAさんはBさんに言われるままに警察官にクーラーボックスを渡しました。
前車の運転手は右腕の前腕を失ったまま走っていたことに気付いて顔面蒼白になり、
意識もうろう状態でパトカーで病院まで運ばれていったそうです。
パトカーが走り去った後、Bさんは言ったそうです。
「さてと。もう一度お肉買いに行かなくっちゃ」
さすが救命の看護師。
Aさんはこの日バーベキューのお肉が喉を通らなかったそうです。
後日、腕の主から電話があった。
後日、Aさんの元に電話が入りました。
始めは警察官から番号を伝えて良いかという打診、
続いて先行車を運転していた男性から。
「先日は、本当にありがとうございました。」
感謝の電話でした。男性の声は続けたそうです。
「おかげさまで、くっつきました」
パトカーで急いで救急病院に直行し緊急手術ができたのと、腕の保存状態が良かったので、
何と、落としてしまった腕はくっついたそうです。
その後、リハビリをして…元通り動くようになったかどうかは分かりません。
もっと怖い話。
話はそれだけで終わりませんでした。
ビーノが仕事でデイケアの送迎車に同乗していた時のこと。
ドライバーの男性から、低い深刻そうな声で話しかけられました。
「俺さあ、あれ見ると、怖くててしょうがないんだよね」
見ると、前の車の窓から運転手が腕を出していました。
「運転してたら、前の車から、人の腕が切れて飛んできたことがあってさ。」
「思わず、とっさにワイパー動かして払っちゃったよ。意味ねえのにな。」
ビーノは訊き返しました。
「怖いですね。その腕落とした人、その後どうしました?」
「それがさぁ。気付かないで走ってっちゃうんだよ。
腕持ってかれたなんて思ってないから、運転できちゃうんだよな。
そのまま走って行って、行き先に着いてさぁ、ドア開けようとしたら開けられなくって、
あれっと思ってようやく気付くんじゃないかな。
腕が無いのに気が付いたら、ギャーって叫ぶだろうね。」
ゾ~っとしました。
別々の人から、ほぼ同じような、
「先行車のドライバーが窓から腕を出していたら腕が切れて飛んできた」
という話。
1つ目の事例では、その後、腕が付きました。
たまたま後続の車に乗っていたのが、救命救急の看護師だったから。
そんな偶然は、普通には起こりません。
普通の後続車は、送迎のドライバーさんのような反応だと思うのです。
それでもあなたは、車の窓から腕を出しますか?
今回使った画像はたまたまビーノが道路上で目撃した、「車から腕出し」の写真で、
もちろん記事の当事者の方とは無関係です。
(個人を特定できないように配慮しています)
これらはたまたま信号待ち等で安全に撮影できた場面で、
他にも写真を撮れない状況でも複数目撃していることを考えると、
それなりの頻度で車から腕を出している人に遭遇していることになると思うのです。
片腕を失うリスクを負ってまで、車から腕って出したいものなのでしょうか?
今回は怖すぎていいオチが浮かびませんでした。
・・・腕は落ちたけど。
そして、こんな小ネタ記事でも決して手は抜かないビーノなのでした。
手は抜いてないのに、腕は・・・
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